静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン・住宅購入専門FPが予算を上げないと家が買えない時代についてお伝えしますね。
小麦、ケチャップ、味噌、レトルトカレー、お菓子、酒などの食料品やトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの生活用品が4月以降も続々と値上げ。
インフレという言葉は有名ですが今の日本経済は完全にスタグフレーションの状態。スタグフレーションとはスタグネーション(停滞)とインフレーション(物価上昇)を合成させた言葉で景気が悪いのに物やサービスの価値が上がること。
給料が上がらないのに物価が上がり続けている最悪の経済状態で家計の節約自体もはや限界という感じ。私自身もガソリン価格の高騰で1年前と比べてガソリン代が月5,000円上がってしまって大打撃。
なんとか頑張って5,000円分の家計のムダな支出の見直しに成功しました。
『建築業界も大打撃』
ロシアのウクライナ侵攻により世界経済は不安定。広大な国土のロシアは天然ガスや石油、森林資源などが豊富。でも、各国から経済制裁を受けているのでロシア通貨(ルーブル)は暴落していて国は経済破綻しているような状態。
世界各国から経済制裁されたロシアが黙っているはずもなく。日本への報復のひとつとして木材の供給の停止を通告。輸入木材が不足してしまえばまた国産材に需要が殺到して再度木材が不足し高騰してしまう…。
つまり、第二次ウッドショックの到来になるのでは?という危機感が強くあります。戦争が長引けば長引くほど私たちの生活にも家計にもジワジワと影響が出るのは間違いないです。
『住宅会社も厳しい経営状態』
建築材料の高騰は住宅会社の経営状態をも大きく左右します。材料が高騰するということは見積もりが高くなりお客さんの建築費が上がることを意味します。
でも、住宅会社の本音は、「見積もりをお客さんにはなるべく安く見せたい…。」かといって材料の高騰費分を利益から削ってしまったら会社の経営自体が危ない。会社が継続できなくては意味がありません。
特にローコストを謳っている工務店などは厳しいと思います。人件費も上がってきているのに建築費も上がる。ローコスト住宅を造ることが難しくなっているというか。
ローコストがローコストでいられらくなる厳しい状態。「安いと思って選んだ業者なのに家づくりの途中で倒産してしまったら…。」お客さんとしては最悪な結果です。
『予算を上げないと家が買えない時代』
「2021年に起きたウッドショックは一時的なものでコロナが落ち着けば元の状態に戻って価格も落ち着くだろう…。」という希望は見事に裏切られました。
ロシア情勢で経済は一気に不安定。原油価格は爆上がりで海外からの輸送コストは上昇。輸入木材不足による国産材の高騰。
木材だけではなく建築の材料全体にも影響が及びそうな勢いで2年連続のウッドショックで建築費がさらに上がってしまう可能性が高いですね。
今年に限っていえばの予想だと一般的な大きさの3LDK+外構工事、地盤改良など含む価格でローコスト住宅は2,200~2,300万円、セミオーダー住宅は2,800万円前後、自由設計の注文住宅は3,300~3,400万円になりそうな勢いです。
ざっくり300万円は予算を上げないと最低限満足できるレベルの家の仕様にならないのでは?という感じがしていますね。
『300万円増やすと住宅ローンは?』
仮にあなたが金利1%の35年返済で住宅ローン借入れを100万円増やすと月々の住宅ローンは約3,000円アップ。予算を300万円増やせば住宅ローンは月々9,000円上がるわけです。
今のところ変動金利は変わらないので住宅ローン借入れを300万円増やしても今は問題なく借りられる人が多いでしょう。そもそもあなたの購入予算が家計に適正かどうかはまったくの別問題ですが。
300万円増やしてもカンタンに借りられてしまうことには大きな注意が必要です。自由設計の注文住宅を建てようとしたら3,300~3,400万円、満足できる造りを追求しようと思えば3,500万円オーバーは覚悟しないといけなくなるでしょう。
『お金の不安を抱えないためにも』
あらゆるモノ全般が値上がりしているので建築費の高騰は仕方がないこと。でも、住宅ローンに関してはまったく話が別です。あなたがこだわればこだわるほど見積もりはカンタンに数百万円は上がってしまいます。
見積りが数百万円高くなって住宅ローン借入額が増えても銀行では借りられてしまう。でも、銀行で「借りられる額」と実際に生活しながら「返していける額」はまったく別。
住宅価格が高騰して家計の負担が増えている今こそ、資金計画がとにかく大事です。よく考えずに勢いで家を建てると家を建てた後に、「あれっ、こんなはずじゃなかったのに…。」と後悔してしまうことになりかねません。
「銀行で審査も通って金利も低いしなんとかなるでしょ!」「せっかく家を建てたのに後悔したくないからお金のことは最初にしっかり考えてこう!」あなたはどちらのタイプですか?
「マイホームは欲しいけど何からすればいいのかな?」というくらいのできるだけ早いタイミングであなたに適正な購入予算の資金計画を把握することが将来まで安心できる家計につながります。
まずはお金の不安を解消してから土地探しや建築先選びをしてくださいね。本当に大切なことだから繰り返しますがマイホーム購入成功の第一歩はあなたの家計と真剣に向き合うことからですよ。