静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが年収の7~8倍まで借りられるのはウソについてお伝えしますね。

「年収の7~8倍までにすれば住宅ロ-ンは大丈夫と言われたのですが?」家が欲しいと思ってとりあえず住宅展示場へ行ったSさん。Sさんは葵区在住の会社員で世帯年収は500万円弱。世帯年収は一般的な家庭だと思います。

とは言え希望は土地からの注文住宅で希望エリアの土地は1,500万円前後。大手ハウスメーカーの家を建てると総予算は4,000万円~4,500万円くらいでしょう。世帯年収500万円弱で4,500万円の住宅購入計画・・・。

全額住宅ローンで支払う場合の借入金額は年収の9~10倍。私は今までに多くの家計を見てきた経験上、「かなり厳しいな~」と直感的に思いました。Sさん夫婦も、「4,500万円はさすがに厳しいだろう・・・」と営業マンに話したそうです。

すると住宅営業マンから言われた次の一言が・・・。

『年収の11倍までは借りられます!』

「最近は銀行もローン審査が緩いので11倍まで融資を受けられます!」「皆さん、そのくらい借りてますよ!」営業マンから告げられたSさん夫婦は、「11倍は無謀すぎじゃない!?」「ヤバイ営業マンかも?」と感じたそうです。

もし、あなたがSさんの立場だったら同じように思いますよね。

ただ、続けて営業マンから言われた次の一言が・・・。「でも、私は年収の11倍まで借りるのはオススメしません。私はお客様のことを考えて年収の7倍か8倍までに抑えてもらうようにしています」と笑顔で言われたそうです。

この直後にSさんご夫婦は、「親切な営業マンだなぁ。11倍はムリだけど7~8倍なら払っていけるかも」と思ってしまったのこと。

『年収の○倍までは借りられるはウソ!』

上述の出来事のあとに私のことを知ったSさんは、「年収の7~8倍までなら大丈夫」とは思いつつ多少の不安があってのご相談の依頼でした。面談時に冒頭の「年収の7~8倍までにすれば住宅ローンは大丈夫と言われたのですが?」と質問があったのです。

質問に対する私の回答としては年収の何倍までなら借りられるというのは何も根拠がなくてまったくのデタラメですね。

なぜなら、年収は同じでも年齢、毎月の生活費、退職年齢、退職金の金額、子どもの人数、趣味や旅行にかけるお金、車の所有数、その他今後の支出状況等の要素が家庭ごとで異なるので年収だけで判断できないんですね。

『あえて高く見せる営業マン』

家に限らず高い買い物をさせるときの営業テクニックのひとつに、

  1. 最初に予算をかなり上回る金額を提示して驚かせる
  2. 当初の予算ではかなり難しいことを理解させてハードルを上げる
  3. 減額案を提示して歩み寄る
  4. 限定サービスでたたみかける

という流れがあります。今回のケースはまさに当てはまり年収の7~8倍までなら大丈夫という話の最後に今月契約すれば300万円の値引き提示があったのです。

結果的にはSさん夫婦にはかなり無理がある購入計画でした。もし、相談がなければ営業マンの言うとおりに契約してしまっていたことでしょう。

『予算が明確じゃないと引っかかる』

毎月のことですが契約直前になってお金のことが急に不安になり連絡があるケースが後を絶ちません。なぜ、営業マンの巧妙なテクニックに引っかかってしまうのか?答えは「明確な上限予算が決まっていないから」以外にありません。

自分に適正な購入予算を決めずに買い物に出かけると間違いなく予算オーバーしてしまいます。

車を購入するとき、「200万円くらいで買えればいいなぁ」と思っている人と「絶対に200万円以内に抑える」と思っている人では予算の上限に対する考え方がまったく違います。

結果的に50万円オーバーの250万円の車を買ってしまっても月に1万円を4年ちょっと節約すれば50万円は取り戻せますよね。

ただ、家のように少しの違いで数十万円、数百万円単位で予算が上がってしまう場合、「なんとなく」「ざっくり希望金額」で商談に臨んでしまうと営業マンのテクニックで当初予算よりも結果的に何百万円も予算を引き上げられてしまうのです。

だからこそ、家を購入するときには自分たちが購入しても良い適正金額を最初に知ることが何よりも大事なんです。

適正な住宅購入予算を知ることができれば安心してローンを返していけるだけでなく、営業マンに簡単に予算を引き上げられることもなければお金の不安なく自分のペースで家づくりのを勧められるのですから。

 

(マイホーム購入のご相談はご夫婦の表情や空気感を読み取ることが非常に重要なため現状は対面での相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)

 

私がなぜこの仕事をしているのか?