静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが変動金利が向いてる限られた人についてお伝えしますね。

「変動と固定、どちらがいいですか?」毎日のように聞かれる質問。実際は「どちらがいいのか?」より「金利が上がるのか?上がらないのか?」を皆知りたいのでしょう。でも、未来のことは誰にもわかりません。

TVに出ているような有名な経済評論家でさえ1年後のことならまだしも、3年後、5年後、10年後のことなんてわかるはずもなく。今後の経済や金利の動向がわかれば苦労しないですからね。

世界的なインフレ(物価上昇)を受けてアメリカでは住宅ローン金利も11年ぶりの水準に上昇中。日本でも固定金利型の住宅ローン金利が年明けから上昇しています。

「固定金利」の代表格であるフラット35の金利は5か月連続で上昇中。世界の経済情勢からすると今後も金利が上がっていく可能性が考えられるのではないでしょうか。

『変動金利は横ばい』

対して変動金利型の住宅ローンは日本銀行の金融緩和政策や銀行などの金利優遇政策の影響で超低金利の状態に変わりはありません。

一般的に住宅ローンの金利が上がっていくときには「固定金利」から先に上がっていくので最近の動きは教科書どおり。

加えて「変動金利」の見直しは半年に1度。「固定金利」が上がり続けていってもだいぶ経ってから「変動金利」は上がることになる。あなたが気づいたときには変動金利も上がっているのです。

となると今後も金利の上昇が考えられるようなら「変動金利」ではなく今のうちに「固定金利」を選んでおいた方が安心なのですが。「変動金利」より金利が高い「固定金利」をわざわざ選ぶ人はいません。

『住宅ローンは金利選びではない』

私は住宅ローンを金利が高いか低いかで選ぶのは間違いと思っています。なぜなら、「固定金利」と「変動金利」は金利を比べることができないから。

フラット35など最初から最後まで金利が一定の「固定金利」はスタート時点で総支払額が確定します。でも、「変動金利」は今後は上がる可能性があり最終的にいくら支払うかがわからないので比べようがありません。

だからこそ私は住宅ローンは、「家計状況に合わせて」「時代に合わせて」「夫婦の考えや性格に合わせて」総合的な要素で選ぶのがあなたにとって失敗のない方法だと思いますね。

『金利に保険をかけるか自分で背負うか』

「固定金利」の住宅ローンを言い換えると「金利が上がらないように保険をかけた住宅ローン」

「変動金利」の住宅ローンは「金利上昇リスクを自分が背負う住宅ローン」といえます。

「変動金利」と比べて「固定金利」は金利が高いですが金利差は「保険料」の差。「固定金利」は保険料という安心料を支払うことで金利上昇リスクがなくなるわけです。

『固定金利のメリット』

  • 家計の計画が立てやすい

マイホームを検討している家庭はお子さんがまだ小さいですよね。子どもの成長につれて将来、教育費などに多額のお金がかかります。

「変動金利」で借りて子供にお金がかかる時期に金利が上昇。月々の支払いが数万円上がって家計にすぐ影響が出てしまうのがイヤな人は「固定金利」が安心です。

金利が上昇分の数万円の生活水準を減らすことはカンタンではないですから。

  • 心配性な性格の人

金利は「低いときは固定で高いときは変動で」というのがセオリー。今は超低金利のため下がることはなく今後は上がるだけです。

「今後の金利上昇リスクを負いたくない…」「今後の金利動向を気にしながら生活するのがストレス…」「心配性だから…」

という人は金利が上がらないための保険料を払ってでも精神的にストレスがない「固定金利」の方が良いでしょう。

  • 繰上げ返済を考えなくていい

金利が固定で毎月の返済額が一定なら家計の計画が立てやすい。住宅ローンの繰上げ返済を頑張る必要はありません。子育てをしていれば何かとお金がかかり住宅ローンを無理して早く返す必要もありません。

また、家は建てたあとは固定資産税、火災保険、地震保険の支払い、修繕費は100万円単位など返済以外にもたくさんのお金が発生します。

「固定金利」なら、「子どもが独立したあとにお金に余裕があれば繰上げ返済を考える」という計画で大丈夫です。

『変動金利のメリット』

対して「変動金利」のメリットは基本的には「固定金利」の逆。

  • 家計にかなりの余裕がある

金利がいくら上がろうが支払っていけるだけの家計状況の人。例えば、毎月のローン返済が10万円で金利が上がって12万円になっても痛くもかゆくもない家計です。

家計に余裕があるなら金利上昇リスクを自分で背負える「変動金利」がいいでしょう。

繰上げ返済をガンガンできる

35年返済でスタートした金利上昇リスクがある変動金利を繰上げ返済をガンガン行って実際は20年以下でローンを完済できそうな人は変動金利を選んでいいと思います。

家計に余裕があるなら1,000万円単位の貯金もあるだろうし、「金利が上がって無駄な利息を払っていそう…」と思ったらまとまったお金を繰上げ返済にあてられますから。

損得を気にする人

「利息を払うのがもったいない…」「今後も金利が上がるとは思えない…」「金利が上がったら繰上げ返済すればいい!」など。

損得で考える人や金利動向を常にチェックできる人。数字に強くマネーリテラシーがある人は「変動金利」がいいでしょう。

『住宅ローン選びは総合判断』

「固定金利」と「変動金利」の違いについて解説しました。上述以外にも「年齢」「職業」「奥さんの働き方」「退職金額の有無」「団体信用生命保険の内容」「生命保険の加入状況」など。

様々な要素を加味してあなたの最善の住宅ローンの借り方や返済方法を考える必要があります。

住宅ローン選びは想像以上に難しい問題。安易に見た目の金利の低さで変動金利を選ぶのは大きなデメリット。

「預貯金は100万円未満で頭金はまったく出せない…。フルローンで借りないとムリだし…。毎月の生活も余裕がなくて変動金利の返済でもギリギリ…」という理由で変動金利を選ぶ家計は一番危険!

住宅ローンを払えなくなる典型的な家計です。今は気づかずに将来、家計に大きなダメージが出てしまう可能性が高い。最悪はローンが払えなくなり家を手放すしか方法はありません。

現状、約7割の人が「変動金利」を選んで3割が「固定金利」を選んでいます。低金利ですからね。でも、私は逆だと思っていて。

毎月の収入や支出、今後の定期的な支出、子どもの教育費、老後の生活費などを考慮すると平均的な収入の家計で「変動金利」を選んでいい人は3割だと思いますね。

年収だけの事前審査。「月々の返済が安い」という営業マンの誘導であまりよく考えずなんとなく選んでいる人が圧倒的に多い「変動金利」。

逆にいえばしっかり勉強をして自分に合う住宅ローン選択ができたならあなたの家計にはプラスしかありません。

住宅ローンは長期の支払い。損得以外のあらゆる要素で判断した方が失敗や後悔は限りなく少なくなります。

だからこそ住宅ローンで失敗・後悔しないためには家計に適正な住宅ローンを組んでいることが大前提なのです。