静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローン返せるかは妻の収入で決まるについてお伝えしますね。
「仕事を辞めたら生活できなくなっちゃいますね…」先日、家計に適正なマイホーム購入予算額をお伝えした直後の奥さまからの一言。
現在、第一子を妊娠中。出産のタイミングで退職してしばらくは子育てに専念するつもりだった奥さま。共働きでは奥さまの収入はほぼ貯金できていたのが…。
「住宅ローンが始まった瞬間から月の家計が赤字に。数年以内に貯金が底をつき旦那さんのみの収入では生活ができなくなってしまう…」という厳しいシュミレーション結果。
「子どもが生まれてアパートが手狭になったので…。」というのがマイホーム購入を検討する理由の第1位ですが。
と同時に出産のタイミングで「奥さんが仕事を辞めるのか?それとも子育てしながら正社員で働き続けるのか?」は家計的にかなり悩ましい問題ですよね。
では、あなたは実際に出産後の女性の働き方がどのようになっているのか?を具体的に知っていますか?
『第一子出産後約7割が就業継続』
厚生労働省の「第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況」によると。第一子出産後も女性の69.5%が正社員に限らず何らかの雇用形態で働き続けています。
次ページの年齢階級別の就業形態では女性の正社員率は25~29歳が59.7%。年齢が上がるにつれてパート・アルバイトの割合が増加。40~44歳の正社員率は35.8%、60~64歳の13.6%まで下がります。
現実的に出産後も正社員で働き続けるのは年齢が上がると厳しくなっていく。ということは住宅ローンを借りるときに重要視しなければいけないのは??
『妻の働き方』
妻の今後の働き方をどうするのか?です。今まで共働きで賃貸住まいの生活は余裕だったのが。出産で妻が仕事を辞めると収入がゼロになってしまう。
さらには厄介なのは収入があった今までの支出体質です。退職で収入がゼロになったとしても?翌月から支出をすぐに大きく減らしたり節約するのはかなり難しいこと。
住宅ローン返済が始まってから、「あれっ?なんかおかしいな?」と初めて気づく。当初の予定よりかなり前倒しで奥さんが働くことに。なぜなら、育児より収入を優先しないと家計が成り立たないからです。
でも、再就職を希望の求人の正社員で見つけるのは簡単ではありません。「せっかく憧れのマイホームを手に入れたのに家計が一気に苦しくなってしまった!」ということになってしまうのです。
『旦那さんの収入だけでやっていける?』
年齢や生活水準によっても変わりますが。土地と建物で3,000万円以上の住宅ローンを組みながら子ども2人を大学まで送り出すには?無理なく家計のやりくりをしていくには世帯年収600万円は欲しいところ。
つまり、旦那さんだけで600万円の年収があれば最悪、奥さまの収入がなくても。また、子どもが小学校に上がるまでなど、働き始めるまでにしばらく時間がかかったとしても何とかやっていける確率が高いです。
逆に言うと旦那さんの年収だけで600万円未満の場合は足りない分を奥さまの収入ですぐ補う。またはマイカー購入や旅行などの支出を我慢しながら毎月の生活費も節約していくしか方法はありません。
でも、静岡で旦那さんだけで年収600万円がある家計はあまり多くはないですよね。
『住宅ローン完済は奥さまの働き方次第』
以上のようなことから奥さんが育休後にフルタイム復帰する場合は特に問題ないですが。仕事を辞める場合は家づくりの計画をかなり慎重にした方が良いですね。
「今の住まいが手狭になり少しでも早く、広くてキレイな家に移りたい!」という気持ちはとてもよくわかります。でも、共働き収入に慣れた状態のまま家を買ってしまうと?
購入後の家計のギャップに大きく苦しんでしまいます。お子さんが生まれたタイミングだと家計のことより家が欲しい気持ちがなぜか勝ってしまいます。
お子さんが生まれるときだからこそ今後の生活費はもちろん、教育費、老後資金、生涯のマイカー等の購入費用や維持費など。
将来までのあらゆる支出を考慮しながら家計のバランスがどうなるのか?を一度しっかりと把握する。住宅購入前は今後の家計をシュミレーションしてしっかり把握しておくベストなタイミングです。
家族にとっての幸せのために子育てを優先して退職するのは大きな決断で素晴らしいことです。
でも、もし、仕事を辞めるなら?「仕事を続けた場合と収入にどのくらいの差が出るのか?また、今後の支出は子どもの成長と共にどのように増えていくのか?」を購入前にしっかりと把握するのはマストです。
購入前にしっかり把握しておけば退職をしても後から後悔することにもなりません。住宅営業マンは家を買おうと思っている人に「購入計画は慎重になったほうがいいですよ」とは言ってくれません。
「家を買いたいタイミング」と「家を買っても良いタイミング」は必ずしも一致するわけではないのです。