静岡の住宅購入専門のファイナンシャルプランナーが住宅ローンを組むときに絶対やってはいけないことについてお伝えしますね。
今日は結論から言っちゃいますね。住宅ローンを組むときに絶対にやってはいけないこと。それは団体信用生命保険の告知義務違反!
ブログでは団体信用生命保険についてときどき触れています。長いのでは略して団信(だんしん)と呼びますね。
団信とは住宅ローンの契約者が死亡したら住宅ローンが0円になる。またはガン、心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になったときに住宅ローンが0円になる、ローンを肩代わりしてくれる生命保険のこと。ローンに付いている保険ですね。
一部の住宅ローンを除いて団信はローンを組むときに強制加入です。ローン契約者の今の健康状態によっては必ず加入できるとは限りません。加入時に健康状態を申告するのは団信も普通の生命保険も同じですが、普通の生命保険の加入時は過去5年分の病歴や通院歴を申告するのに対して団信の加入時は過去3年分の病歴や通院歴を申告します。
例えば、今までにがんになった人は団信に加入できなのか?「過去、がんになったけど今は完治している。3年以内の通院もしていない」ということなら通常の団信に加入できる可能性がありますね。
ただ、団信にはいくつかの種類があります。死亡だけが保障される団信と違って、3大疾病(しっぺい)付き団信(がん、心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になったら住宅ローンが0円になる)の場合は今までの病歴を聞かれます。仮にがんが完治していてもがんになったことがあるので加入は難しくなります。
『風邪や花粉症でも申告するの?』
例えば3ヶ月以内に「風邪で病院に行った」「花粉症で通院していた」ケース。保険会社によっても対応が分かれますが風邪も花粉症も告知する必要があります。保険会社は死亡した場合に死因と病気の因果関係を詳しく調べます。
もし、風邪が原因で肺炎等になって死亡した場合には告知義務違反!と言われる可能性もあるんですね。そのため正直に告知しておいた方がいいです。(風邪や花粉症で団信の加入を断られることはありませんが)
あとレアケースですが、「定期的にヒアルロン酸を打っている」等の美容整形をしている人。美容整形は病気ではないけど通院をしているので申告する義務がありますね。ホルモン注射やレディエッセなども。美容整形による突然死も可能性がゼロではないですからね。
『申告しないと最悪は・・・』
健康上に問題があってもほとんどの人は正直に申告します。でも、「正しく申告したら住宅ローンを借りられないかも。少しならごまかしても大丈夫だろう?」と健康上の問題があるのに正しく申告(告知)をしない告知義務違反をしてしまう人が意外といるんですね。
この告知義務違反があるとローン契約者が死亡した場合、残りの住宅ローンが0円にはならず残りのローンを債務者(奥さん)が支払いを続けていかなければなりません。奥さんが専業主婦であればその日から急に奥さんが一生懸命働いて返さないといけないのです。
預貯金にかなりの余裕があれば一括返済できますが、預貯金がなければ奥さんがフルで働きに出て多額のローン返済は大変ですよね。ローン返済できなければ最悪は家を手放さなければならないことに。
決して他人事ではありません。ある金融機関が提携している団信の生命保険会社に聞いたところ、毎月全国で200件の団信の請求がありそのうちの約10件が告知義務違反に該当しているそうです。
『なぜ告知義務違反をしてしまうのか?』
- 病歴を忘れていた
- 告知する必要がないと思った
- ローンを組みたいからわざと書かない
- このくらいなら申告しなくてもいいだろう・・
など団信の重要性を理解しないで記入しないケースもあります。でも、告知義務違反をするほとんどの場合は自分の意思ではありません。ハウスメーカーや不動産会社の営業マンに「書かなくても大丈夫ですよ」と言われて書かないことの方が多いですね。
『営業マンは保険の素人』
家を買う人は住宅ローンを借りるのはもちろん、団信の申込書を記入するのも初めてなのでいつも住宅ローンを扱っている営業マンのアドバイスを信じてしまいます。でも彼らは生命保険については全くの素人。彼らは家や不動産を売るプロですが生命保険を扱うプロではありません。生命保険の資格もないので保険に対する知識はないんですよね。
『正直、団信なんてどうでもいい・・』
住宅営業マンの仕事は家を売ることや不動産を売ること。ほとんどの人は住宅ローンを借りて土地や家、マンションを買います。家を売る立場からするとお客さんが住宅ローンを借りられないと困りますよね。ノルマも達成できません。「過去の病歴を正直に申告してローン審査の結果、団信が通らない。ローンが借りられないと家が売れなくなってしまう・・・」
営業マンはお客さんがローンを借りられないのは困るけど売ったあとにもしお客さんが死亡した場合、「団体信用生命保険が払われる?払われない?」のはどうでもいいことです。「告知義務違反になっても何とか住宅ローンを借りさせよう!」と一部の営業マンは思っているかもしれません。
だからこそ団体信用生命保険の申告(告知)は正直にすることをオススメします。病名、治療期間、薬の種類、血圧の数値等、保険会社は情報があればあるほど正確な判断が出せますからね。
普通の生命保険も同様ですが、健康状態に問題がある人は加入時に申告するのを正直、「面倒くさいな・・・」と思うかもしれません。でも、正直に申告するのは本当に大切なこと。最初にしっかり申告しておけばもし、ローン契約者が本当に死亡したら住宅ローンはなくなります。
ローンがなくなって残された家族は家に住み続けることができます。正直に申告することは家族のためでもあるのです。繰り返しになりますが住宅ローンを組むときには告知義務違反には注意してくださいね。