静岡の住宅購入専門のファイナンシャルプランナーが住宅ローンの借りすぎについてお知らせしますね。
突然ですが、あなたに問題です！Aさんの世帯年収は800万円。住宅ローンの借入額は5,600万円。Aさんの住宅ローン5,600万円は借りすぎだと思いますか？それとも無理のない妥当な金額だと思いますか？
正解は無理のない妥当な金額です。本屋さんに並ぶ住宅ローンの教科書の本を読むと、「年収の25％までは無理がない金額」と書かれていて。世帯年収800万円で計算すると住宅ローンは5,600万円。静岡で5,600万円の予算があれば理想の土地と希望する建物が手に入るでしょう・・・。
でも、静岡で実際ここまで借りる人はいません。あなたはなぜだと思いますか？なぜなら、「5,600万はいくら何でも借りすぎでしょー！」とみんな思うから。5,600万円を35年ローンで金利が1％としても月々は約16万円。家賃の倍以上の支払いは家計がやっていけませんよね。
対して世帯年収に関係なく住宅ローンを3,000万円組む人はたくさんいます。静岡で自己資金を500万円出したとしても土地建物の合計が3,000万円はかかるからです。
『静岡の住宅価格相場』
土地のエリアと建物の金額にもよりますが、静岡市内で土地建物で家を買う場合には3,500万円くらいの金額は普通にします。あなたが家が欲しいと思ったとき自己資金を500万円出したとしてもある程度の希望を叶える家にするには、年収に関係なく3,000万円の借入が必要になるわけです。
つまり、最初の話を参考にすると世帯年収800万円で5,600万円借りるのと世帯年収400万円で2,800万円借りるのはほぼ同じリスクがあるんですよね。800万円の年収で5,600万円借りる人はほぼいませんが、400万円の年収で2,800万円借りる人はものすごく多いです。
銀行も普通にお金を貸してくれるので話がどんどん進んでしまいますが、年収400万円で2800万円の借金はかなりのリスクがありますね。
『無理のない借入額の考え方』
書店にある住宅ローンの本には、「年収に対して25％までが理想」と書かれてるため世帯年収で800万円あれば25％は200万円で12か月で割ると月々167,000円まではOK！ということになります。このときの住宅ローン金額が5,600万円。
同じ計算で世帯年収400万円であれば25％は100万円で12か月で割ると月々83,000円まではOK！いうことですね。年収400万円のローン金額は2,800万円なので自己資金500万円が出せれば静岡でも土地建物で買える範囲内にかなり近づきます。
でも、銀行でも住宅会社でも住宅ローンは、「無理なく返せる額」ではなく「借りられる額」で話が進みます。「借りられる額」で計算すると2,800万円どころか世帯年収400万円でも3,000万円以上も借りられてしまうんですよね。
『年収よりも大事な無理のない考え方』
あなたにお伝えしておきますがさっきの計算式は、「あなたの年齢が30歳前後！」というのが大前提の話です。65歳まで頑張って働けばあと35年ありますよね。もし、借りすぎてしまったとしても35年と長く働ける分、日々の節約で家計をカバーできるかもしれません。
でも、あなたの年齢が、35歳、40歳、45歳と年齢が上がっていけばその分だけ無理のない借入額はどんどん下がります。特に一番危険なのは30代後半から40歳あたりの年収が増えた状態でローンを組むとき。その増えた年収に合わせてローンを組んでしまう人がほとんどです。
給料のピークは55歳くらいで60歳で退職後の再雇用の給料は大きく下がるのが一般的。40歳前後でのスタートは35年ローンの半分以上が今よりも給料が大幅に下がるわけですね。今の年齢に関係なく、「年収だけで借入金額を出す考え方はものすごく危険！」なんですよね。
あなたが無理のない住宅ローン金額をしっかりと把握したいのなら年収はあまり重要ではありません。年収よりも、「退職まであと何年働けるのか？」の方が重要です。
皆さんがよくやってしまう一番やってはいけないのは、40代前後の高くなった年収額だけで35年ローンを計算してしまうこと。退職が60歳だったら40代前後は残り20年しか収入はありませんよね。お子さんは小学校高学年か中学生くらい。
今後お金がかかる時期に突入します。高くなった年収だけで借りてしまっても家計がラクなのは最初だけ。
数年後の受験時期には支出がかなり増えて家計は一気に苦しくなってしまいます。
住宅ローンは35年という人生の半分近くの長い付き合い。あなたが家を買ったあとも、「お金のことで苦しみたくない！」というのなら営業マンや銀行の言うことを鵜呑みにせず、勢いに任せることなく、冷静に慎重に慎重を重ねた資金計画で住宅購入することが何よりも大事なのです。
