静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローンが返せない人が今後増える理由についてお伝えしますね。
「4人家族なので4LDKにしたけど荷物が予想以上に多くて部屋数よりも収納スペースをもっと広くとればよかった・・・」「コンセントの位置をよく考えずに決めてしまって数が足りなくて延長コードやタコ足配線だらけになってしまった・・・」
「憧れていたアイランドキッチンにしたけど実際使ってみると油ハネやニオイが気になる。キッチンをぐるりと回れる動線は便利だけど調理中に子供がふざけて走り回るので危険・・・」
マイホームが完成後、住み始めてから感じた実際の失敗談の一部。注文住宅は実際に家が建ってみないとわからないこともあるので大小問わず何らかの失敗や後悔が出てしまうのはある意味仕方ないかもしれませんね。
冒頭の失敗談もできれば避けたかったことですが取り返しがつかない失敗ではなく何とか許容範囲の失敗でしょう。でも・・・。
『住宅ローンの借りすぎは致命的な失敗』
住宅ローンの借りすぎは取り返しがつかない致命的な失敗です。
「ローンを借りすぎてしまって生活レベルを落とさないといけない、教育費が貯められない、欲しい物が買えない、パートの日数を増やしたり、残業や休日出勤を増やさないといけない。パート勤務では家計がとても成り立たず奥さんが水商売に転職した。」
購入後の早い段階で悲惨な状況になってしまう家庭が静岡にもたくさんいます。住宅ローンの借りすぎは購入後の生活を大きく変えてしまい人生まで大きく狂わせてしまうことになるんですよね。
借りすぎてしまって家計が苦しくてローンが返せなくなり最悪は家を売らなければいけなくなる家庭も一定数いて、さらには家は売れたけど希望額では売れず残った住宅ローンを返しながら賃貸の家賃も払わないといけない生活を送っている人もいますね。
現状、マイホーム購入をした人の26組に1組、3.8％の人が住宅ローンが払えなくて家を手放していますが今後は住宅ローンを払えなくなってしまう家庭が確実に増えていくと思いますね。
今回は、なぜ住宅ローンを返せなくなってしまう人が今後増えるのか？の理由についてお伝えしますね。
『銀行がお金を貸しすぎ』
1つ目の理由は銀行がお金を貸しすぎですね。10年前まではそれなりの勤務先、それなりの年収、そこそこの貯金がないと住宅ローンの審査が通りませんでした。自己資金が200万円では住宅ローンを借りられなかったです。
もし、3000万円のマイホーム購入なら最低300万円、1割の自己資金がないとローンを借りられなかったですね。
でも、7年ほど前からは自己資金0円でも住宅ローンが借りられるようになり。さらには、家具、家電、引越しなどの費用までも銀行によってはすべて貸してくれるようになりました。
貯金がまったくなく家計に余裕がない、本来は家を買ってはいけない家庭でもローンを借りられるようになったわけです。昔は転職後3年は住宅ローンを借りれなかったのに今は転職後1年未満でも借りられる銀行も増えてきました。
ひと昔前と比べると世帯年収300万円くらいでも家を普通に買えるようになったんですよね。
つまり、銀行の審査が厳しかった時代に購入したにも関わらず現状3.8％の人が住宅ローンを払えなくなってしまっているのなら、審査をかなり緩くして購入した人が増えてきている今の時代は今後は住宅ローンの返済ができなくなる家庭が増えるのは容易に想像がつきますよね。
『今後は年収が下がる人が増える』
２つ目の理由は、「終身雇用制度の崩壊」「働き方改革」で将来的に年収が下がる人が増えてくるから。終身雇用の制度は崩壊しつつありまた、働き方改革で残業ができなくなったり年収がかなり下がる人が増えていることも要注意ですね。
通常は年代が上がると役職手当等が付いて年収、収入とも上がる場合が多いですが50代になれば役職定年を迎えます。今までの肩書がなくなり給与も2～3割減になるでしょう。
その頃に子供が2人いて2人とも大学生で県外の大学に進学していれば仕送り等にもたくさんお金がかかり家計は相当苦しくなるかもしれません。元々は余裕だった住宅ローンも収入2～3割減で途端に返せなくなるケースが今後確実に増えてくると考えられますね。
元々、銀行で「返せる額」ではなく「借りられる限度額」で借りている人が多いので銀行がお金を貸しすぎていることと、今後の収入が減る可能性が高いことを考えると将来、家を手放したり売らなければいけなくなる家庭が今後は確実に増えるでしょう。
マイホーム購入の一番のデメリットは、「買い換え」や「引越し」が簡単にはできないこと。住宅ローンの支払いができなくなって安い家に引っ越しをしようとしても家が売れない限り引っ越しはできません。
以上のような理由から住宅ローンが返せなくなる人が今後確実に増えますね。マイホーム購入の一番の致命的な失敗は住宅ローンを借りすぎること。
家が欲しいと思ったら土地や建築先を探すことよりもまずは無理のない住宅購入予算をしっかり把握することが一番の優先順位です。家を買ったあとも一生お金のストレスを抱えたくないのなら・・・。
