静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが家を買う前にライフプランを作る必要がある理由についてお伝えしますね。
「先月、土地の契約をしまして今月末にハウスメーカーと契約の予定です。ですが、今頃になってお金のことが急に不安になってしまって・・・。一度、ご相談したいです。」
先日届いたメール。実は同じようなメールが年間5~6件は届きます。私はメールが届くたびにイヤな予感しかしない。既に土地を契約している人や住宅会社も決まっている人などのご相談は今はお断りしています。
なぜなら、ご相談の結果がどのようになっても契約をしている以上家づくりは進んでいくので、お互いにとって無意味な時間になってしまうため。
ただ、数年前まではご相談を受けていました。でも、契約後やトラブルなどの切羽詰まったご相談は厳しい結果になることがほとんど。
私は第三者の立場なので相談者さんの味方ですが、「今の家計のまま家を建てるのは厳しい」と相談者さんに正直に伝えるのも私にしかできない使命。土地や建物を契約後の人にショックな一言をお伝えするのは非常に残酷なことです。
『現実を受け止めることも大事』
実際のご相談で、「今のまま家を建てるのは厳しい」と伝えなければいけない人は2割くらいいるのも事実。厳しい現実に立ったときに相談者さんがどのように思うか?で今後の家計が大きく変わるんですよね。
「家を買うつもりだったのに夢を壊されてしまった。こんなことなら相談するんじゃなかった!」と思うのか。「今のままでは厳しいことがわかった。住宅ローンで困らないように今後何をすべきかを考えるきっかけになった」と思うのか。
あなたがもし、将来までの収入と支出の流れがわかるライフプランとも言われるキャッシュフロー表を見て「今のままでは厳しい!」という現実に立ったとしたらどのように思うでしょうか?
『家を買う前にわかるか後かで天地の差』
今後の収入の見込みと今後のあらゆる支出を洗い出してキャッシュフロー表を作成することであなたが希望するマイホームを買っても大丈夫かどうか?が住宅ローンが始まる前にわかります。
もしダメなら今後どうすればいいのか?を事前に考えることができますよね。でも、住宅ローンが始まったあと、「今のままだと厳しい!」と気づいてももはや手遅れ。借りたお金はきっちり返さなければいけません。
家計が苦しければ収入を増やすか出費を減らす、いや削る。という対策しかありませんよね。
でも、収入を大きく増やすには旦那さんが明日から転職するか奥さんが明日からパート勤務する、もしくはフルタイムで働くなどしない限り簡単なことではありません。ほとんどの場合は支出を削るようになるでしょう。
でも、支出を削るのも限界がありますよね。生活するための最低限の食費や水道光熱費、おこづかいなどは必要。家族で行く旅行をガマンしたりクルマを買うのをガマンしたり趣味のお金も削れば家計は一時的に回るかもしれません。
でも、家族で幸せに使えるお金を削るのはストレスでしかありません旅行や趣味、クルマ購入などのお金をすべて削ったとしてまだ家計が苦しかったら?貯金を崩していく生活になりますよね。
もし、貯金もすべて崩し切ってしまったら?最後はどうなるでしょうか?
せっかく手に入れたマイホームを手放す以外に方法はありません。
家がすぐに売れればいいですがマンションなどと違って一戸建ては簡単には売れません。売れたとしても希望額を大幅に下回り住宅ローンだけが残る。住宅ローンの残りを払いながら賃貸の家賃も同時に払って生活するとになりますね。
ローンと家賃の二重生活なんて想像もしたくありませんよね。マイホーム購入という楽しいことだけを考えたいのにお金という超現実的なことには目を向けたくないかもしれません。
「周りのみんなも普通に住宅ローンを組んでいるから我が家の家計も何とかなるでしょ!」と思うかもしれません。でも・・・、後々お金のことで後悔しないためには先に見ておかなければいけない現実もあると思いませんか?
どこの会社で建てるとかどこの土地にするかとかどこのマンションを買おうとか新築にしようか中古にしようか?を考えるのも重要なこと。
でも、あなたやあなたの家族が家を買ったあとも幸せに暮らすためにもお金という現実とまず最初に向き合うことが先決だと私は思いますがあなたはどう思うでしょうか?
住宅会社や銀行は、「家を買わない方がいいですね」とは決して言ってはくれません。あなたは家を建てたあとに気づいて後悔しますか?建てる前に気づいて今後の対策をしますか?