静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローンのボーナス払いはしない方が良い理由についてお伝えしますね。
「住宅ローンの返済に関する相談が出始めて60~70件ほどある。今後夏のボーナス返済に向けてかなり増えてくるのではないか。」4月中旬の静岡新聞での静岡銀行の社長のインタビュー記事の一部。
静岡銀行の社長のインタビュー記事からすでに2か月経っているので新型コロナによる収入減の影響で住宅ローン返済が困難な人は静岡銀行だけでも既に100件を超えているのではないでしょうか。
『ボーナス返済をしてもしなくても年間の返済額は同じ』
住宅ローンのボーナス払いをするときに知っておいてもらいたいこと。ボーナス払いをしてもしなくても1年間で支払う金額は同じなんですね。例えば、3,000万円35年返済で今の変動金利だと毎月は約80,000円で年間960,000円。
仮にボーナス払いを15万円にすると、(ボーナス月に15万円、年30万円)毎月は66,000円に下がります。さらにボーナス払いを20万円にすると、(ボーナス毎に20万円、年40万円)毎月は56,000円まで一気に下がります。
住宅会社の資金計画は変動金利でボーナス払いのパターンがほとんどなので今の家賃とほぼ変わらないかむしろ家賃より安いくらいでしょう。もし、あなたがボーナス払いを入れた返済額の方が、「安くてラッキー!」と思ったのなら?
要注意のサイン。なぜならボーナス払いをしてもしなくても1年間で返済する金額は同じなんですよね。
『住宅ローン破たんする人の共通点』
住宅ローン破たんする人には様々な原因があるのですが一番多いのは購入後に収入が下がるリスクを考えず年収が毎年確実に上がっていくであろうと甘く見積もってしまっているケースです。
誰もが今の年収より下がることもボーナスがなくなることもないだろうと思っています。でもまさに今、会社の経営悪化や業績不振により今後は収入の減少やボーナス減またはボーナスカットが起こり得る人が間違いなく増えるはず。
コロナに関係なく中小企業であれば業績が悪ければボーナスカットは普通にあり得ること。もし、今まで給与やボーナスが順調にもらえてきた人が減少やもらえなくる機会が訪れたら?住宅ローン破たんする確率が高まるでしょう。
『働き方改革で難しくなる住宅ローン返済』
最近では働き方改革による残業代のカット等で数年前より年収が減少した人が増えています。特に今はテレワークなどで残業代はほとんどないでしょう。
今まで当たり前だった年功序列の制度も崩壊しつつあり給料が順調に上がるわけではなくなってきます。
もちろん、能力の高い人や会社で結果や評価を得た人は給与や年収は上がると思いますが今までよりも給与が上がっていく可能性は少なくなる傾向は間違いありません。
特に今回のようなまったく予期せぬ出来事が起こると数ヶ月の収入減でも家計は一気にピンチに陥ってしまいます。
予期せぬ出来事も想定して無理のない住宅ローンの金額を最初に設定しておくことが非常時・緊急時にも対応できる一番の家計のリスク管理。
住宅ローン返済は数十年という長い道のり。最初の購入予算設定は慎重に慎重を重ねるに越したことはありません。
(マイホーム購入のご相談はご夫婦の考えや表情、空気感を読み取ることが非常に重要なため、現状は対面での相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)