静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPがローコスト住宅のカラクリについてお伝えしますね。
先週、ランチで久しぶりに某牛丼チェーンへ。「早い!安い!美味い!」と三拍子揃っていますよね。私は基本「牛丼(並)」しか頼まないですが栄養バランスを考えてサラダセットも注文。
牛丼にキムチ、ねぎ、チーズ、おろしポン酢などをトッピングできたり他の定食もありますがいつも牛丼しか頼みません。理由は牛丼のみが一番コスパが良くてトッピングはコストが高いから。サラダセットもコスパは悪いのですが・・・。
『低価格でも儲ける仕組み』
某牛丼チェーンは牛丼(並)350円。キムチ牛丼(並)、ねぎ玉牛丼(並)は480円で牛丼より130円高い。130円の差はあまり高いとは思わないでしょう。でも、あなたは知っていましたか?メインである「牛丼(並)」は利益がほぼ取れない商品ということを。
もし、みんながみんな牛丼の並ばかりを頼んでしまったら潰れてしまいます。では、どうやって儲けるのかというと「オプション」で利益を得るんですね。キムチ、ねぎ、チーズ等のトッピングやサイドメニューの豚汁、サラダや大盛への変更など。
牛丼(並)の利益はほぼないけど他のオプションで「高い利益」を得る。牛丼(並)を食べる時もあれば大盛を頼んだりサイドメニューを追加するときもある。つまり標準商品以外のもので利益を確保しているんですね。
某ハンバーガーチェーンなども同様。みんながみんな「100円バーガー」ばかりを食べたら潰れてしまう。100円バーガー(低利益)に対して、てりやきマック(高利益)は340円、ビックマック(高利益)は390円。
300円以上の高利益のハンバーガーにサイドメニューのポテトやドリンクを追加してもらって利益を得るというビジネスモデルですね。
『オプションで稼ぐビジネスモデル』
つまり、牛丼チェーンも某ハンバーガーチェーンも「標準商品」では利益が薄いので「他のオプションで利益を出す」ビジネスモデル。もちろん、住宅業界でも同じビジネスモデルがあります。
いわゆる、『ローコスト住宅』です。県内の注文住宅の平均価格は約2,500万円に対して、「標準仕様の間取りで1,500万円でマイホームが持てます!」と魅力的な価格を打ち出しています。
でも、実際は話を聞いているうちに標準仕様では満足できなくなって、「自分好みの間取りに変更したい!」「断熱性能をあげたい!」「床やドアをグレードアップしたい!」「食器洗浄機をつけたい!」。
といったオプションに手を出してしまうように仕組まれているのです。そして、オプションが他社と比べてかなり高く設定されています。
ローコスト住宅の戦略にまんまとはまってしまって、「結果的に、平均的な建物価格まで金額が上がってしまった・・・」牛丼やハンバーガーと違って、「1度きりの住宅購入で失敗できない!」「後悔したくない!」
という思いで高いとわかっているオプションでも追加してしまう人がほとんどなんですね。
『仕組みをわかった上で検討すること』
私はローコスト住宅を否定するつもりはありませんしローコスト住宅を建ててはいけないとも言いません。気を付けてほしいのは、「最初は安いと思っていたのにあとで気づいてみたら他社の方が安かったかも・・・」というような後悔をしてほしくないのです。
特に気をつけてほしいのは家づくりに対して要望の多い人。たくさん要望がある人は比例してオプションの数も多くなりますからね。
なので後々高くなってしまわないためにも必ず契約前に叶えたいことを整理して先方に伝えきることですね。
「間取りはこのように変更したら?」「オリジナル収納をつけたら?」「断熱性能をあげようと思ったら?」「全部やったらいくらかかるの?」を契約前にしっかり確認する。契約前にですよ!!
契約後ではいくら辞めたくても辞められない状況になってしまいますから。くれぐれも気をつけてくださいね。
(マイホーム購入のご相談はご夫婦の表情や空気感を読み取ることが非常に重要なため現状は対面での相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)