静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPがみんな間違える住宅ローンのリスク対策についてお伝えしますね。

「住宅ローンと養育費がマジでキツイです…」先日、偶然出会った30代男性。10分ほどの立ち話なので離婚までの詳しい話は聞けていませんが。当初の住宅ローンは夫婦の収入で借りた約6,800万円。

数年前に離婚後、家を売却するも残った月々の住宅ローンと養育費、今住んでいるアパートの家賃を合わせると毎月20万円以上。毎月の給料だけでは赤字なので空き時間や休みの日は朝から夜までアルバイトの生活。

住宅ローンの支払いはあと10年、養育費の支払いは20年近く。ということは最低10年はアルバイト生活が続く可能性大。今は若さでなんとか頑張れているものの心もカラダもかなりしんどい状態。

奥さまが第一子出産後に「仕事(正社員)を辞めてから家計が一気に狂い出した」のこと。元旦那さんは夫婦の収入で住宅ローンを借りていたので奥さまが「まさか仕事を辞めるとは!」思っていなかった。

さて、あなたに質問です。住宅ローンを借りたあとにはいくつかのリスクがあるのですが。上述までで「住宅ローンを借りる・住宅ローンを返していく」ときに私が一番リスクだと思っていることは何でしょうか?答えは…。

『妻が仕事を辞めるリスク』

奥さんが仕事(正社員)を辞めるリスク。正確にいうと、夫も妻も正社員の収入がずっと続く前提で住宅ローンを借りてしまうリスク。住宅ローンの金利上昇のリスクよりもはるかに高いリスクです。

例えば、自動車保険だったら「相手にケガを負わせる」「自分もケガを負う、同乗者にケガを負わせる」「相手の車、自分の車も破損する」など。事故による様々なリスクを想定してクルマの保険に入りますよね。

また、毎年のように起こる台風や豪雨による被害、突風や地震などの自然災害。住まいのリスクはある一定以上の被害でカバーしてくれる火災保険または地震保険でリスクをカバーします。

他には一家の大黒柱の死亡など、経済的なリスクに備えて死亡保障という生命保険に加入している人が多いと思います。

リスクには「ある日突然、起こるもの」と「将来予想されるリスクに対してあらかじめ対策をしておく」の大きく2種類。

人生において事故や自然災害のようなイメージできるわかりやすいリスクに対しては?大多数の人は事前にしっかりと備えをしているのですが…。

35年またはそれ以上の返済になるマイホーム購入後のリスクにおいては?なぜか、ほとんどの人が何も対策していないのが現状。

「将来予想されるリスクに対してあらかじめ対策をしておく」ことは住宅ローンを借りる上で絶対条件。でも、ほとんどの家庭が何もリスク対策していません。他には1~2年前から今も起こっているリスクで言うと?

『変動金利の上昇リスク』

住宅ローンの金利上昇リスク。住宅ローンを変動金利で借りたあと金利が上がってしまうと?ある期間から月々の返済額が増えます。仮に金利上昇が繰り返されていくと気づいたときにはもう手遅れの可能性が出てくるのです。

変動金利という将来的に今より上がる可能性がある金利を選択したのに…。なぜか住宅ローンの変動金利の金利上昇リスクもほとんどの人が無対策。

日本では住宅ローン返済中の約8割が変動金利を選択中。大多数の家庭が金利上昇のリスクを抱えているのに…。ものすごく不思議な現象ではありませんか?

おそらく「0%台の低金利で月々の支払いが安いから」という理由だけで選んだ、または、不動産・住宅営業マンなどに変動金利に誘導されて選択した人がほとんど。

変動金利を選ぶこと自体は悪くはないのですが。借りたときは0%台でも?将来的に1%、1.5%、2%、3%と金利が上がったときのシミュレーションをしていないことの方が問題で。

無料相談や住宅営業マンはシミュレーションに(あなたの家計が借りたあとにどうなろうと)興味がないので仕方ありませんが。

元々、余裕がある家計、金利が2%や3%になっても返済に問題ない人が適しているのが変動金利。でも、実際の変動金利選択者は「金利が低いから」「変動金利じゃないと払えないから」など家計に余裕がない人が大多数。

つまり、目には見えないけど将来的に住宅ローン破産予備軍がかなり多く潜在しているというのが実態。0%台の超低金利で借りた人の金利は最近1~2年でほぼ倍に。といっても1%前半でまだまだ低金利。

『今年中に変動金利は1.5%予想』

ざっくりの解説でいうと変動金利は年に2回(4月と10月)金利の変動があります。(一部のネット銀行、一部の金融機関を除く)

仮に金利が上がっても5年間は月々の返済額が変わらないルール。(一部のネット銀行、一部の金融機関はルールなし)

  1. 「長期金利幅の修正」→長期金利幅の拡大が実行済
  2. 「固定金利の上昇」→固定金利は上昇傾向
  3. 「長期金利水準の引き上げ・長期金利操作の撤廃」→長期金利引き上げ済、長期金利操作の撤廃予定
  4. 「固定金利がさらに上昇」→現時点より固定金利がさらに上昇する可能性
  5. 「マイナス金利解除」→一部の新聞記事によると2024年2月頃解除
  6. 「一部の銀行で新規・借換えの変動金利の上昇」→マイナス金利解除後に変動金利の優遇幅が縮小
  7. 「ゼロ金利政策の解除」→海外はかなり前に解除されている
  8. 「多くの銀行で変動金利が上昇」→変動金利の基準金利見直しで今借りている人の金利も上昇

過去1~2年で上述の流れで住宅ローンの金利が今現在も少しづつ上昇中。

特に変動金利は2007年から2024年まで変わっていなかったので最近1~2年で急に上がったイメージがあるのだと思います。

特に変動金利というのは店頭金利(基準金利)という定価の金利から優遇金利という割引き幅があって実際に借りられる金利が決まります。

2007年から2024年まで変わっていなかった2024年後半から店頭金利が引き上げられたので新規で借りる人は実際の借りる金利も上がっています。当然、今変動金利で返済中の人もある時期から金利が上がっています。

今、新規で借りると1%前半の変動金利は今年中に1.5%まで上昇するのでは?と言われています。

『金利上昇対策の前にやるべきは』

住宅ローンの金利上昇対策は「借りる前にやるべきこと」「借りたあとにやるべきこと」の2つ。

借りる前にやるべきことは無理な借り入れをしないこと。家計に適正な購入予算で住宅ローンを組む以外に方法はありません。夫婦の収入で無理して借りないことです。

土地の価格も建物の価格も人件費も住宅資材も住宅設備機器など。あらゆるモノの価格が上昇しているので夫婦の収入を合わせないと希望の住宅ローンが借りられないかもしれない。

奥さんがこの先何があっても正社員で働きつづけるなら私から何も言うことはありません。でも、女性が65歳まで正社員で働き続けられる可能性は?総務省の統計によると2%。ほとんどいないのです。

住宅ローンは金利が低いから借りるのではなくて。奥さんが正社員を辞めてもパート勤務の収入に下がっても家計にダメージを受けないような対策をしながら借りる・返していくのが鉄則。

金利上昇のタイミングも奥さんが仕事を辞めるタイミングも多くの人が予測不可能。実際に事が起きてから慌てて対応するのは手遅れ。

さて、あなたの家計は住宅ローンを借りるときから将来の家計リスクまで想定した対策ができているでしょうか?