from:静岡 住まいのマネープラン相談 立林毅士
「ネクタイ売ってないな~」
「長袖シャツも売ってないな~」
「あってもすぐ売れちゃうな~」
毎年、5月中旬から8月くらいまで
私が感じていること。
6月から9月末までは、
世間はクールビズ習慣。
服装もノーネクタイに半袖Yシャツ姿、
いわゆる軽装の
サラリーマンがほとんどですよね。
軽装が流行りなのに、
夏場にネクタイや長袖シャツが
売れるわけありません。
私は軽装をしないので夏でも
長袖シャツやネクタイをしますが、
売り場にはほとんど置いてありません。
クールビズ期間も終わりに近づき、
長袖シャツやネクタイも
豊富になってきたので
やっと秋のオシャレを楽しめます 笑
『土地探しにも同じ悩みが』
「土地がない・・・」
「出てもすぐ売れてしまう」
「売主が強気の価格設定で高い」
最近、お手伝いをしている
お客さんの土地探しは
みんなこんな感じです。
「土地さえあれば、
家建てられるのに」
家づくりを進めたいけど、
土地がないから進められない人も多いはず。
「増税前に建てたほうがお得ですよ!」
「低金利で今が買い時です!」
このような営業トークを言われて
家を建てようとする人がほとんど。
でも、希望の土地が
なかなか見つからないわけです。
言い換えると・・・
「土地さえあれば家が売れる」
このような状況なのです。
そして、これを利用して
家を売ろうとする住宅会社があります。
土地を絡めて家を売る方法は
色々とあるのですが、
一番シンプルなのは・・・
「建築条件付きの土地」
を仕入れることです。
「建築条件付き」とは、
その土地を買うなら、
その所有者の
住宅会社で建てるというもの。
「この土地を買うなら、
うちの会社で建ててね!
建てるなら売りますよ~!」
こんな感じです。
一般的な注文住宅の流れでいくと
土地を探しつつ、
「どこの会社で建ててもらおうかな」
って会社を選ぶことが多いのですが、
「建築条件付き」の土地の場合は
建てる会社が決まっているので、
どこの会社で建ててもOK
ということではありません。
「どこの会社で建てたい!」
という希望が特にない人なら
土地に魅力があれば
あまり気にしないかもしれません。
でも、
家を建てるならこの会社で建てたい!
って思っている人は、
これはとても悩む問題ですよね。
全然土地が出てこない。
そんな中・・・
すっごく魅力的な土地が見つかった!!
でも、建築条件付き・・・
仕方ないか、土地ないもんなぁ・・・
『建物に魅力がなくても売れてしまう』
「良い土地さえあれば、家が売れる」
このような状況だと、
住宅会社は多少リスクを負いつつも、
大きな土地を買って
何区画かに分割して、
販売をしています。
仮に土地を仕入れる段階で
赤字が100万円出たとしても、
家を売ることができて
利益が500万円でれば、
差引き400万円の黒字になります。
なので、家を売りたい住宅会社は、
「売れる土地」を日々探しています。
プロが毎日「売れる土地」を
必死になって探しているのに、
初めて土地を買う人が
良い情報を早くに手に入れるのは
難しいですよね。
つまり、住宅会社にとって
建築条件付きの土地を仕入れる
最大のメリットは
「家の魅力を伝えなくても家が売れる」
こと。
「このエリアに家を建てたい」
っていう目的がある人を集められれば、
家自体にあまり魅力がなくても
売れてしまうし、
他社との競合もないので
商談がスムーズに進む
っていう大きなメリットがあります。
色々な会社を見て
比較検討したい
って考える人が多いのですが、
建築条件付きの場合は、
他社比較される時間も省ける。
デザインや性能、
間取りの使いやすさは二の次。
建物価格がそんなに高くなければ
売れてしまう状態。
住宅会社にとっては、
土地を仕入れられるかが
経営を左右する
っていっても過言ではありません。
『建築条件付きは買っちゃいけない?』
かといって、
建築条件付きの土地については、
良くも悪くも言えません。
なぜなら、その世帯によって
家が欲しい理由が違うので、
何がその家族にとって
最善かが変わるからです。
例えば・・・
「今の家賃を払い続けるのがもったいない。
でも、子供の学区を変えさせたくない。
家の間取りやデザインにこだわりはなく、
建売住宅でも問題ないんです」
このようなニーズであれば、
いつ出てくるかわらかない
土地を探すよりも、
希望のエリア内にある
建築条件付きの土地を
買った方がいいかもしれません。
逆に、
「家が欲しくてたまらないけど、
私達のこだわりを詰め込んだ
家じゃないと意味ないんです。
自分たちが気に入ったところで
建てるのが夢なんです」
このような家族の場合は、
じっくり探しながら、
また、エリアを変えてでも
その夢を叶えるのがいいとも言えます。
『土地探し先行はトラブルのもと』
ただ、建築条件付きは、
デメリットもあります。
希望する条件の土地を
買うということは、
それだけ価格が高くなりますよね。
そうなると、建物を合わせた
全体予算がオーバーする
可能性が出てきます。
土地は契約できたけど、
同時に住宅ローン契約も
迫ってくるわけです。
建物の打ち合わせをする時間や
住宅ローンをどれにするか?など、
ゆっくり検討する時間は
ほとんどありません。
また、建築条件付きの土地を
販売する業者の中には、
「売れれば何でもOK!
売ることが目的!」
って考えている会社も多くあり、
契約だけ急いでしまって
契約後にトラブルになることも。
実際に今年だけで
建築条件付きで、
契約後のトラブル相談が
3件ありました。
(契約後のトラブル回避はできません)
注文住宅を建てる上で、
実は土地探しが
一番高いハードルです。
希望の土地が見つかるまで
時間がかかるのも事実ですが、
逆に、土地さえ決まってしまえば、
そのとき気に入った住宅会社があれば
後はエスカレーターのように
自動的に家づくりは進んで行きます。
土地探しの苦労があった分、
その後の家づくりは
とっても楽しいものになるかもしれません。
今、土地を探しているのであれば
辛抱強く、忍耐強く
頑張っていきましょう!
そして、
全体の予算オーバーを防ぐためにも
まずは、あなたにとって、
無理なく返せる住宅ローン金額を
把握してからにしてくださいね。
そうすれば、土地と建物にかけられる
予算の目安がはっきりわかり、
お金のストレスなく
楽しい家づくりを進めていけますよ。