静岡の住宅購入専門のファイナンシャルプランナーが家を買ったら節約はムリについてお伝えしますね。
「ローンを無理しなかったから月に3~4万円は貯金できています!」2年前に家づくりのサポートをしたHさん。先日、マークイズで偶然お会いしました。でも、Hさんの今の家計は決して楽ではありません。
住宅ローンの返済が始まりお子さんが生まれ、奥さんは時短勤務で給与減。そして大きい保育料負担。保育料は生活に必要なお金ですが、正直家計にはかなりのダメージ。ほんの10分15分の立ち話でしたが、「月々3~4万円は貯金できている」と笑顔で教えてくれました。
特に節約したり使い過ぎているわけでもなく、今の状況で月に3~4万円の貯金ができるのは素晴らしいです。Hさんのようにコツコツ貯めている人とまったく何もできていない人では、今から数十年後の貯金額はものすごい差になるのは言うまでもありません。
『たった1万円の違いが大きな差に』
「毎月の住宅ローンが1万円しか違わないなら希望の土地と家を買ってもいいんじゃないの?」「1万円だったらちょっと節約すれば何とかなりそうじゃん!」とあなたも考えるかもしれませんね。でも、実際はかなり難しいです。
なぜなら家を買ったあとに節約なんてしないから。私そんな人を見たことがありません。人は今までの生活レベルを簡単に下げることはできませんよね。「1万円なら旦那の小遣いをカットする」という奥さんがときどきいますが、お小遣いを削るのはオススメしないし、さらに2万、3万円の節約が必要となったら他での節約も現実には難しいです。
『生活費は年々増えていくもの』
特に子育て世代の人の場合、生活費は年々増えていくもの。お子さんにかかるモノはもちろん、家族が増えれば光熱費、通信費、医療費、その他雑費等々。どんどん増えていく支出があるのに、家を建てる前より支出を抑えるのはとてもムリな話。
さらには、「子どものために・・」という最もらしい理由で車をミニバンに買い替えたり、習い事へ投資したり。支出はどんどん増えていくばかり。このときにはもう、家を建てたときの「節約しようね」なんていう言葉はとっくに忘れちゃっているわけです。
『家計が苦しいのは大学進学時と退職後の生活費』
仮に今までの生活レベルを落とせなくても、共働きの収入があればなんとかやってはいけます。でも、家計が一気にピンチを迎えるときがやってきます。子供の大学進学時と退職後の生活費。
子供の大学進学時と退職後の生活費は人生で赤字になりやすい家計がほとんど。今までの生活の積み重ねや今までのお金の使い方で赤字になる家計かならないかがハッキリと別れます。
Hさんのように今からコツコツ貯金ができていれば赤字家計にはならないし、まったく何もできていなければ子供の大学進学時には一気に赤字に突入してしまいます。退職後も毎日かなりの節約生活になるし、夫婦で旅行するなんてとてもムリでしょう。
つまり、赤字にならないようにコツコツ貯金ができるかどうか?無理なく貯金ができるかどうか?は今、家を買うときの無理のない住宅購入予算で決まってしまうのです。
住宅ローンのたった1万円の差でも甘く見ると、将来の家計にものすごく大きな影響を及ぼします。住宅購入後の節約は難しいからこそ無理のない住宅購入予算ができるかで購入後の家計が順調に回るか、ピンチに陥るかが決まってしまうと言っても過言ではありませんよ。