静岡の住宅購入専門のファイナンシャルプランナーが予算を上げずに土地を買う方法についてお伝えしますね。
立林「Iさんはなぜこの土地を買われたんですか?」Iさん「やっぱり金額が安かったからですね!」3年前に私の家の組に家を建てた30代前半のIさん。私が住む住宅地は50年近く前に開発された分譲地。上の組と下の組を合わせて約40世帯が住んでいます。世帯の平均年齢はたぶん70歳くらい。
ちょうど3年前に私が組長をしていたときIさんが引っ越して来られたので、「なぜこの土地を買ったのか?」にすごい興味があったんですよね。
『最近流行りつつある近居(きんきょ)』
あなたは近居という言葉を聞いたことありますか?ざっくり言うと同居と別居の良いとこ取り。程よい距離感で暮らすことを近居といいます。Iさんの旦那さんの実家はクルマで5分ほどの距離。この土地を買った理由は安さに加えて、「仕事が不規則なので、実家が近いことで色々と助かっている」と言っていました。
『近居が増えている理由』
昔と比べて最近は実家へ30分以内で行ける距離で暮らす人が増えていますね。近居が注目されるようになったのは東日本大震災がきっかけ。当時、離れて暮らす家族がお互いの安否や被害状況を確認できなかったり、支援に駆けつけることが難しかったと報道でも耳にしました。
二世帯など完全な同居にしてしまうと生活リズムや習慣の違いでお互いがストレスになってしまうけど、近居であれば各自の生活リズムが保てるし育児サポートや病気やけがのときにもお互いに助け合えるというわけです。さらに、資金面でも大きなメリットが。
『予算を上げずに土地が買える』
2年前にご相談があった30代のMさん。旦那さんの勤務先は清水。奥さんの勤務先は静岡。そのため、当初は葵区で土地を探して家を建てる計画でした。でも、希望のエリアで家を建てるとすると土地だけで500万円の予算オーバー。
Mさんは、「ローンに追われる生活だけは絶対にイヤ!」と予算内で家を建てたい強い希望があり。旦那さんは県外出身で奥さんの実家は藤枝。「通勤にはちょっと距離があるけど藤枝市内で土地を買えれば予算内で、いや予算も下がるかもですよ」とアドバイス。
その結果、Mさんは藤枝に家を建てました。500万円オーバーしていた予算も逆に100万円余ったのです。奥さんの実家にも車で15分。
実家のご両親も娘夫婦が近くに住んでくれたことに喜んでくれて、程よい距離でいい関係を保たれています。
『土地探しは暮らしやすい場所で考える』
土地探しに「コレが正解!」というのはありません。でも、私の感覚だと土地のエリアにこだわっている人が多いような気がしますね。職場に近いなどの利便性でエリアはもちろん重要です。でも、人気のエリアはみんなが住みたがるし土地の価格も高い。エリアだけにこだわってしまうと確実に全体の予算もオーバーしてしまいます。
予算オーバーしてしまったらローンに追われる生活に。実際に家を建てて15年近く経つ同級生や友人、知人で家計が苦しい状況の人を何人も知っています。エリアなどの見た目は置いておき、まずはあなたと家族の暮らし方、内面をよく考えてみませんか?「家を建てる場所」ではなくて一生「暮らしやすい場所」として。
『暮らしやすいエリアを見極めるポイント』
「生活の利便性」
- 最寄りのスーパーやドラッグストアまでの距離
- 医療機関までの距離
- よく利用する金融機関までの距離
「交通の利便性」
- 最寄りのバス停、バスの本数、駅までの距離
「子育てしやすい環境か」
- 保育園や幼稚園までの距離
- 時間外保育の有無
- 通学路の安全性
- 公園などの距離や安全性
「住環境の快適性」
- 人通りや外灯があるか
- 防犯面に不安はないか?
- 騒音や悪臭、大気汚染などの原因になる施設がないか
「行政サービスに問題はないか」
- ゴミステーションまでの距離
- ゴミの出し方がうるさくないか
暮らしやすいエリアを探すにはこのようなポイントを周辺をよく歩いて確かめる必要があります。時間も手間も少しかかるけど、何十年と住み続けることを考えると事前にチェックしておきたいポイントです。住み始めてから、「あーー、ここに住むんじゃなかったー!」と気づいてもどうしようもないですからね。
エリアのこだわりは大事ですが暮らしやすいポイントという内面重視で探してみたら、エリアのこだわりは意外となくなるかもしれません。その結果、予算を抑えられたら良い土地が買えたことになりますよね。
仮に今、30歳であれば退職まで30年。40歳であれば退職まで20年あります。今後は人生100年時代。退職した60歳から30年40年は生きる可能性が十分ありますよね。現役引退後の方が長くなることを考えるとより暮らしやすいエリアを選んだ方が後々の後悔は少なくなるかもしれません。
あなたに合った暮らし方が絶対にあるはず。もし、土地が思うように決まらない、自分にはどのエリアが適しているのかわからない?ということであればその暮らし方を一緒に探しませんか?