静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPがボーナス払いに頼るのは危険すぎる理由についてお伝えしますね。
「家を買っても年間の収支はプラスですが今後もずっと毎月の赤字に耐えられますか?」先月今月とマイホーム予算診断書を出すときに厳しい結果を伝えざるを得ないケースが続きました。
無理のない予算で購入しても毎月の家計は赤字状態。実際、住宅ローン返済をしている赤字家計は意外と多いです。静岡市内で家を建てれば今の家賃より2~3万円は確実にアップ。
そうなると家を建てた瞬間から家計は苦しくなるだけ。1年のほとんどが赤字家計。赤字月をボーナス額で補って年間収支はなんとかプラス。でも、1年間のほとんどが赤字家計なのは精神的にけっこうキツイですよね。
ボーナスが普通に出ても毎月の家計は赤字なのでお金の心配が一生続くわけです。
通帳残高が毎月毎月減っていくのは思った以上のストレス。住宅ローンがスタートしていればより負担が増すのでさらにストレスを感じることになってしまいます。
『ボーナス返済は家計破たんへ一直線』
でも、毎月の赤字負担を一瞬で軽くできてしまう魔法のような方法があります。
住宅ローンのボーナス払いです。例えば、3,000万円を35年返済、金利1%とすると毎月約85,000円ですがボーナス月に20万円の返済設定にすれば毎月約60,000円まで下がります。
「毎月60,000円なら払えそう。25,000円が浮けば赤字も解消できるかも!」となるかもしれません。でもね・・・。年間のローン返済額はボーナス払いをしてもしなくても変わらないのです。
つまり、ボーナス払いの方法は単なるまぼろしに過ぎない。ハウスメーカーや不動産会社の資金計画書を見るとボーナス払いが必ず設定されています。そうなると、「毎月の返済が安くて払えそうじゃん!」と錯覚してしまう。
でも、ボーナスというのは絶対に支給されるものではありません。まさに今年は夏のボーナスが減った人もいるでしょう。
また、「夏は例年通りに支給されたけどコロナの影響が本当に出そうなのは冬のボーナスかも・・・」と不安な人もいるはず。ボーナスは景気動向や企業の業績を受けやすいですから。
つまり、ボーナスは簡単に減額やカットになってしまうのです。住宅ローンの支払いは30年前後。長期の支払いをボーナス払いに頼ってしまうのは家計が苦しくなってやっていけなくなる可能性と隣り合わせなんですね。
もし、あなたがボーナス払い20万円をしていてもし本当に来年のボーナスがカットになったら?冷静な精神状態ではいられないでしょう。
『毎月の手取り収入で考えるのが基本』
住宅ローン返済で失敗しない大きなポイントは、「毎月の手取り収入内で無理なく返していけるかどうか?」しかありません。不景気になれば残業はカットされるけど生活がやっていける給与は支払われるでしょう。
でも、ボーナスは会社が業績不振などの理由を付けて下げたりカットすることは簡単にできますから。私も会社員時代にボーナス減額やカットの経験が何回もありました。
あなたも去年の時点で今年がコロナ禍になるとは想像ができなかったですよね。来年もどうなるかは未だ予測が立ちません。正直、7月以降に面談数が急激に増えて、「あなたは相談に来てもらって良かったです!」という人が多い。
なぜなら自身で考えている資金計画と第三者の私から見た資金計画とでは天と地ほどの違いがあるから。家を買うという決断は慎重に慎重を重ねることに越したことはありません。
家づくりというのは住宅会社や不動産会社のペースではなく夫婦でじっくりと話し合いながらこちらのペースで家づくりを進めていくことが大事です。家を買ったあとに後悔してももう遅いのですから。
(マイホーム購入のご相談はご夫婦のお考えや表情、空気感を読み取ることが非常に重要なため現状は対面での相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)