静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローン破たんが急増する理由についてお伝えしますね。

「大手ハウスメーカーで注文住宅を購入しました。住宅ローン借入額4200万円で頭金無しの35年フルローンです。現在建築中で今月末引き渡しですが今後住宅ローンが始まると生活していけません。安易に考え契約してしまったことをとても後悔しています。まだ引き渡しも終わっておりませんがローン破たんするとしか思えません。

ライフプランについてはハウスメーカーに紹介された保険営業マンのFPさんに簡単に見ていただいて大丈夫だと思いますと言われました。簡易なライフプランだった為不安はあったものの何とかなるだろうと安易に考えました。住宅購入の契約後も何度も何度も悩みましたが引き返す勇気もなく今に至ります。住宅購入というとても大事なことを人に任せきりで結局自分では何も考えていませんでした・・・」

ヤフー知恵袋での悲痛な叫び。私のところにも年間10件以上は建築請負契約後の同じような相談があります。ただ、残念ながら契約後のご相談では私はどうすることもできないのでお断りするしかないのですが・・・。

『お金以外は許せる失敗』

私は今までに数百組の家づくりに関わってきましたが少なからず失敗はあるもの。「収納がもっとあれば良かった・・・」「リビングが広すぎた、狭かった・・・」「コンセントをもっと付けておけば良かった・・・」など。

失敗や後悔はあげればキリがないと思います。でも、上述の失敗であれば仕方がないというかなんとかガマンできる範囲ですよね。でも・・・。

『お金の失敗は致命的』

お金の失敗は致命的。冒頭のように住宅ローンがまだ始まる前からお金の不安をずっと抱えて生きていくなんて不幸すぎます。

現実に住宅ローンを借りすぎてしまった結果、「生活レベルを落とさないといけない」「毎月は赤字ギリギリ」「欲しいものが買えない」「奥さんが予定より相当早く働き始めなきゃいけない」など。

お金の悩みを抱えている家庭が静岡にもたくさんいます。マイホームは買い方次第で人生を狂わせてしまうほどの大きな出来事。最悪は住宅ローンが払えずに家を手放さなければいけなくなる家庭も一定数あるのです。

手放した後も住宅ローンが残ってしまって賃貸アパートの家賃を払いながら住宅ローンの返済もしているかなり厳しい生活を送っている人も。今後、住宅ローンを払えなくなる家庭が急増するのは容易に想像できるのです。
はなぜ、今後住宅ローン破たんする家庭が急増するのか?について解説しますね。

 

『銀行がお金貸し過ぎ』

一昔前に比べて銀行がお金を貸しすぎ、つまり住宅ローンの借りすぎです。約10年前まではある程度の勤務先、年収、預貯金額がないと住宅ローンの審査が通りませんでした。預貯金が200万円では住宅ローンを組めなかったです。

例えば3,000万円のマイホームなら最低1割の300万円の現金が用意できないとローンを組めなかったのが10年前からはフルローンといって頭金が0円でも住宅ローンが組めるようになったのです。

さらには貯金がなくても家具、家電、引っ越し費用などの諸費用まで。フルローンを通り越してオーバーローンでも銀行が貸してくれるようなってきた。

昔は転職したら最低3年は住宅ローンを組むことができなかったのが。今は転職後数ヶ月でも借りれる銀行も出てきました。今は貯金がなくても年収300万円代でもマイホームが持てる時代です。

ひと昔前の銀行の審査が厳しかった時代に購入した人の約4%、25人に1人は住宅ローンが払えなくなっています。

ということは住宅ローンの審査がかなり緩くなって購入した最近10年くらいの人はコロナ禍などの収入減で住宅ローンが払えなくなる家庭が増えてくるのは間違いないです。

『働き方の変化』

また、「終身雇用制度の崩壊」「働き方改革」による残業をなくすなど。将来的に年収が下がる人が増えてくるからです。

70歳定年法の成立で全体の2、3割は会社に長くいられる一方で多くの人が人員整理や早期退職により転職をせざるを得ない。ある程度の年齢で転職して今までと同じような収入を得るのはかなり難しいでしょう。

働き方改革で残業ができなくなり年収が大きく下がる人が続出しているのもポイント。コロナ禍でさらに残業がなくなった、収入が大きく下がったなど。

元々の収入では支払いができていた住宅ローンも収入が減った途端に支払いができなくなるパターンは良くあることなんですね。

『借りられる額ではなく返せる額』

「銀行がお金を貸しすぎている」「収入が減る可能性が高い」という以上の理由から今後は家を手放さなければならなくなる家庭が確実に増えていきます。

実際2021年6月までの調べでコロナ禍の収入減が理由で住宅ローン返済が困難になった人は全国で6万人を突破。半年以上経っているのでさらに数は増えているでしょう。

マイホーム購入の一番のデメリットは生活が苦しくなっても簡単に家を買い替えたり引っ越しができないこと。

重要なことなので何度も何度も言いますが銀行で借りられる額と返せる額はまったく違います。マイホーム購入で失敗・後悔することのないように適正な住宅購入予算で慎重な資金計画を進めていくことをオススメしますよ。