静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが変動金利上昇のシナリオ始まるについてお伝えしますね。

2022年3月現在レギュラーガソリン小売価格の全国平均は1リットル162円。ガソリンの高騰が止まりません。去年の1月は1リットル127円。2,000年頃には80円前後のときがあったので今はめちゃめちゃ高く感じますね。

私は小さなお子さんを持つ家庭からの相談が多く賃貸アパートに訪問して相談業務をしています。ガソリン代は相談料に含まれていないのでガソリン代の高騰は正直かなり痛いです 涙

「住宅購入でお金の不安を解消してもらえるよう気軽に有料相談してもらえる文化を作ろう!」という想いで事務所の経費などを相談料に上乗せすることなく一般的なFP事務所のサービスの相場価格の三分の一でサービスを提供してきましたが・・・。

今後もガソリンの高騰が続くようであれば相談料を値上せざるを得ない状況です。

『2か月連続で金利上昇』

長期固定金利の代表格であるフラット35の金利が2か月連続で上昇。2月金利は1月金利より0.05%、3月金利は2月金利より0.08%の上昇です。

固定金利は金融市場の長期金利の影響を受けるので長期金利が上がると住宅ローンの固定金利も上昇。ちなみに住宅ローンの固定金利は2007年当時は3%以上ありました。

当時と比較すると今月は金利が上がったといっても今月のフラット35金利1.43%(返済期間21年以上の頭金1割)は過去最低水準であることに変わりはありません。

『変動金利は過去最低の水準』

※住宅金融公庫HPより(オレンジが変動金利)

対して変動金利は金融市場の短期金利に連動していて日銀の政策金利が影響します。政策金利は金融緩和で下落したまま。住宅ローンの変動金利に変化はありません。具体的には変動金利の店頭金利(定価)は10年以上も変化なし。

なので近年は変動金利を選ぶ人が8割近く。なぜ変動金利が圧倒的に支持されているか?は金利が圧倒的に低いからです。

販売側は月々の返済額が安く見せられる。借りる側は少しでも月々の返済額を低く抑えたい。例えば3,000万円を35年返済で変動金利と上述の今月のフラット35金利で比較すると月々の返済額の差は約1万円。

今後も経済が回復せずに変動金利が上がらなければあなたにとって変動金利は最高の住宅ローン。でも、政府はそろそろ景気回復を望んでいます。実際は金利を上げたいけどコロナ禍で上げられないのが正直なところ。

『金利上昇の予測は不可能』

ざっくりな言い方ですが最近10年以上も変動金利に変化がないため、「今後もしばらくは上がらないだろう・・・」というなんとなくの予測で変動金利が選ばれている傾向が強いです。

あなたが住宅ローン返済中に金利が上がるか上がらないかは予測不可能。あなたがコントロールできることではありませんよね。

仮に金利が上がっていって月々の返済額が今より数万円上がっても家計に特に問題がなければ変動金利を選択するのもアリです。

でも、今より金利が1%、2%と上昇したときに生活費や子どもの教育費の負担が家計を大きく圧迫するようなら?変動金利の選択はあなたにとって大きなリスク。

『変動と固定の比較論は無意味』

「変動金利と固定金利はどちらがいいですか?」「どちらがお得ですか?」相談時によく聞かれる質問ですが答えは簡単。どちらがお得かは完済して初めてわかることです。

フラット35に代表される固定金利を選ぶ人は「今後の金利上昇の不安に備えてあらかじめ将来にわたる返済額を確定させたい。金利を固定して支払った方がストレスなく家計にとって安心できる」と今後の金利変動リスクに保険をかけるわけです。

対する変動金利は目先の金利の低さをメリットにする代わりに今後の金利上昇のリスクを取る。つまり、借り手が金利の変動リスクを負います。

なので固定金利が高くて変動金利が低いという考え方は間違いなのです。

将来、金利が上がると見込んでいるなら?変動金利で貸しておいた方が銀行にとっては都合が良い。景気が上がれば金利が上がると言われるけど景気が上がらないと金利が上がらないわけではありません。

景気が悪いままでも金利が上がることもあります。低金利の影響で銀行も長らく厳しい経営状態。政府としても景気は良くないけど金利はそろそろ上げたいというのが本音だと思いますね。

『変動金利上昇のシナリオ』

私自身は変動金利の上昇スイッチが密かに入ったのでは?と思っています。なぜなら、令和4年度税制改正で住宅ローン控除の控除率が引き下げられたから。

令和3年度までの住宅ローン控除は原則10年にわたって年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除(ディスカウント)されるものだったのが。

令和4年度からは原則13年に延長された代わりに控除率が0.7%に引き下げられたのです。単純計算で1%×10年=10%が、0.7%✕13年=9.1%に引き下げられました。つまり、借入側の税金の還付額が悪くなったということ。

他にも性能の高い住宅にしないと減税額に上限が設けられるなどの改悪になりました。上述の住宅ローン残高に掛ける控除率は変動金利に繋がる考え方と思っていて。

国の政策で急に控除率(ディスカウント率)を下げたということは国も国民からの税金の支払いを多くしたいわけです。

年々、住宅価格のインフレが続いているのに住宅ローンの申込み件数は増えています。

「今後も住宅業界のインフレが続いていっても住宅ローン控除が改悪されても住宅ローンの申込み件数が増えているのなら?変動金利を上げても大丈夫だろう・・・」というシナリオがすぐ目の前までやってきているのかもしれません。

『変動金利の動向を気にするよりも』

私は変動金利を悪くいうつもりはありません。「家賃並みの支払いでいけます!」などの安易な営業トークに惑わされてはいけません。月々の返済に加えて定期的な火災保険や地震保険の支払い、毎年の固定資産税も別途かかってきます。

重要なことは変動金利で組んでもあなたの家計は大丈夫なのか?ということ。答えはマイホーム予算診断をすることで将来までの家計のお金の流れがハッキリとわかります。

住宅ローン選択や金利の動向を気にするよりもまずはあなたの家計をしっかりと把握することから始めましょう。