静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが家を建てる前に学資保険に入るなについてお伝えしますね。
様々な商品がある生命保険。大きく分けると「掛け捨て」または「積み立て」の2種類。「掛け捨て」は保険料が戻ってこない代わりに安い保険料で子どもが独立するまでなど期間限定の死亡保険が一般的。
「積み立て」は保険料は高いけど払込期間まで支払えば保障額が一生続く、または解約してもお金が戻ってくる。教育資金や老後資金目的の終身保険など。
多くの人は「掛け捨てはもったいない」「積み立ての方がいい」というイメージのようですね。一般的にはお金を掛け捨てるより戻ってくるタイプの保険の方が好まれるようですが・・・。
『保険で貯金しすぎて家計がカツカツ』
「家を建てる前に保険で積み立てしすぎていてすでに家計がカツカツ…。」という人をよく見かけます。子どもが生まれるタイミングで保険を必要以上に見直してしまって保険で貯金をしすぎてしまう人。
「子どもが生まれたら学資保険」みたいな。保険で貯金することは悪くないですが加入するタイミングや活用の仕方を間違えてしまうと家計にとって大きなデメリット。
今日は保険で貯金しすぎてしまうダメな例についてお伝えしますね。
『貯金がすべて保険のみ』
大前提として貯金は家計の余剰資金でするのが鉄則です。「銀行で貯金してもほとんど利息が付かないから保険で貯めよう!」という人をよくみかけます。銀行に貯金はできていないけどほとんどを保険で貯金している感じですね。
なぜすべてを保険で貯めるのがいけないのか?もし、家計が苦しい状況になり保険を途中で解約してしまうと払った以上に戻ってはきません。早期で解約すればするほど損してしまいます。
一般的に保険で貯金をするときは短くても最低10年は解約しないで保険料を払い続ける必要があります。10年以内に解約をすれば元本割れで返ってきてしまうものがほとんど。
毎月の住宅ローン返済やその他の支出を払っても家計に無理のない範囲の金額で貯めるという考えを持つのが大切ですね。保険で貯金するのは手段であって目的になってはいけません。
『外貨建て保険のデメリット』
学資保険代わりに近年の保険の積み立てでよく進められるのは外貨建ての終身保険。外貨建て保険は米ドルや豪ドルなどの通貨に両替したお金で保険料を払うイメージ。メリットは円建て保険よりも払った以上に増える可能性があること。
デメリットは為替相場の影響を受けること。契約時に為替が1ドル100円、日本円で10,000円(100ドル)を支払ったとします。18年後の解約時には1ドル90円だったとすると支払った100ドルが9,000円に減るのが為替リスク。
2008年のリーマンショック時は1ドル70円台。なので今の為替ではなく10年後20年後の解約時の為替相場がとても重要なんですね。為替相場が悪い状況だったら条件が悪いのを承知で解約するしかなくなってしまいます。
外貨建て保険が悪い訳ではないですが大学費用などが必要になる教育費目的で使うときはある意味ギャンブルと言えるでしょう。
ぶっちゃけ外貨建て保険は保険会社から保険代理店に支払われる販売手数料が高く保険代理店にとってメリットがあるのでよく勧められるわけです。
『家を建てる前に保険の見直しはダメ』
家を建てると賃貸時代と比べて住宅ローン返済だけで2~3万円増えるのが一般的。火災保険や地震保険、毎年の固定資産税。将来の修繕費など賃貸時よりも確実に支出が増えます。
子どもの教育費目的とはいえ住宅ローンがスタートする前から保険料負担が多い家庭は購入後はさらに家計が苦しくなりかなりのストレスになってしまいます。
以上のようなことから家を建てる買うという大イベントの前に保険で積み立てを始めてしまうのは絶対オススメしません。
住宅ローンの金額が決まって家が完成して新居に住み始めて数ヶ月。家計が十分やっていけることが確認できてから教育費を貯めていく方がお金のストレスを感じることなくムリなく貯めていけるのですから。