静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが変動金利を選んだ人が99%ムリなことについてお伝えしますね。

「医学に興味が出たので今から医者を目指そうと思います!」もし、49歳の私が宣言したらあなたはどう思いますか?「いや、無理でしょ!」「今から医者なんてなれるわけないし…」と誰もが思うはず。

私も冷静に考えて今から医者を目指すのは99.9%不可能。なぜなら、かなりの時間と労力がかかるから。ドクターになるには医師免許が絶対に必要です。

医師免許を取るためにはまず医学部や医大に入学しなければならない。受験勉強の時間だけでも最低1年、いや49歳の私では1年ではとても無理。3年は費やす必要があるでしょう。仮に3年で合格したとしても…。

次は医学部で6年の歳月をかけて「病理学」や「生理学」などの授業から解剖の実習まで。幅広く経験を積み重ねて医学に関する知識や技術を身につける必要があります。

6年間のカリキュラムを修了して卒業した人または卒業見込みの人だけがやっと医師国家試験の受験資格を得ることができる。ざっと10年近くの時間がかかります。

来年50歳になる文系脳の私が医学部に入学するために今から受験勉強を必死に始めて医学部に合格するだけでもかなり難しい。さらに医学部で6年間勉強をしてから医師国家試験をパスして医師免許の資格を得られるなんて99.9%不可能。

先日、相談があった30代の女医さんも、「中学から本格的に塾に通いながら医者になることを目指して勉強しました!」と言っていましたから。

『住宅ローンでも99.9%無理なこと』

「今は低金利なので最初は変動金利で借りて金利が上がってきたら固定金利に借換えをしようと思います…」相談者さんが面談中によく言われること。あなたはどう思いますか?

借換えというのは今借りている銀行の金利から条件の良い金利や他の銀行にローンを借り直すこと。「今の変動金利は低いのが魅力。もし、金利が上がってきたら金利が変わらない固定金利に変えよう!」ということなのですが…。

『変動金利が上がったら固定金利は99%ムリ』

間違えて欲しくないのは変動金利から固定金利などへの借換えはいつでも可能です。例えば、「A銀行の変動金利→B銀行の変動金利」「A銀行の変動金利→B銀行の固定金利」「A銀行の固定金利→B銀行の固定金利」など。

でも、「変動金利が上がってきたら固定金利に変える」のは99.9%無理。なぜなら、「変動金利が上がったときにはすでに変動金利以上に固定金利も上がっている」ので借換えするメリットが何もないからです。

『住宅ローンは固定金利から先に上がる』

例えば、変動金利0.6%固定金利1.5%で差は0.9%とします。金利だけを見れば「変動金利の方が安い!」と変動金利を選ぶ人がほとんど。

そして5年後に変動金利が0.6%→1.1%へと0.5%金利が上がったとします。「5年間で徐々に金利が上がってきたから今のうちに固定金利に借換えしよう!」と思い立った。

借入先の銀行に行ったら固定金利も0.5%上がっていて2%に上昇。他の銀行にいっても同じ金利。金利の仕組みは長くなるので割愛しますが市場金利の性質上、「変動金利より固定金利から先に上がる」のが住宅ローンの特徴なんです。

つまり、0.6%→1.1%に上がった変動金利を高いと思って固定金利に借換えたいはずなのにすでに2%になっている固定金利に借換えをしようという人はいないですよね。

つまり、「変動金利が上がってきたら固定金利に借換えようと思います」という人は借換えるタイミング自体が99.9%手遅れの状態なんですね。

加えて借換えをするときには登記や印紙代、事務手数料など様々な費用がかかります。「借換えの手間かかるし今のまま変動金利で様子を見よう…」という考えになるのが普通です。

結果的に「金利が高くなってきたから固定金利へ切替える」という行為は99.9%誰もやらないことなのです。

『住宅ローンは損得ではない』

私は昨年末に変動金利の上昇時期が来年2023年と大予想をしました。当たるかどうかはまったくわかりません。今後、住宅ローンの金利がどうなるのかは誰にもわからないこと。

住宅ローンの金利選びで絶対やってはいけないのは損得だけで考えること。なぜなら、あなたの家計にとって変動金利が良かったのか?固定金利が良かったのか?の答えは住宅ローンを完済したときに初めてわかることだからです。

住宅ローンの金利選びで一番重要なのは経済状況による会社の業績不振での給与減などの外的要因、転職や体調不良などによる給与減などの内的要因など。

あなたの家計がどのような状況になっても支払っていける金利タイプを選ぶことなのです。住宅ローン選びに絶対的な正解はありません。

そして、家計状況を定期的にメンテナンスできるような住宅ローンの借り方にしておくことでリスクを最小限に抑えられる。最初にゴール(老後)から逆算した家計に適正な住宅購入予算で住宅ローンを組んでおくことは言うまでもありません。

もし、あなたが今後の金利上昇が心配なのであれば35年ローンを繰上げ返済して15年20年で完済する。または今より月々の返済額は上がるけど固定金利も低金利な今のうちに借換えをして安心感を得るしかないのですが…。

私は過去10年間で金利上昇していない変動金利から固定金利にわざわざ借り換えた人には1人しか出会ったことがありません。あなたが変動金利を選ぶのなら今後の金利上昇のリスクをどのように考えていますか?