静岡住まいのマネープラン相談立林

 

 

 

 

静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅住宅ローン返済期間は短くするなについてお伝えしますね。

世の中にあふれるたくさんの情報。住宅ローンに関するネット記事もたくさんありますよね。様々な情報があるのは嬉しいこと。でも、情報があり過ぎると結局、「何が正解なのかわからない・・・」という状況に陥ってしまいがち。

「色々と調べてみたけど…。よくわからないな。」ネットで不得意の分野を調べたのに余計にわけがわからなくなってしまった経験があなたもありませんか?

ネットやSNS全盛の今、数ある情報の中からウソかホントを見極めなければなりません。今回はよく質問される項目のひとつ。「住宅ローンの返済期間は短い期間にするべきか?』について解説しますね。

『短くするのは間違い』

結論からいうと住宅ローンの返済期間を短くするのは間違いです。銀行から住宅ローンを借りるときに必ず「返済期間」を設定します。返済期間とは「何年で住宅ローンを返していくか?」という期間のこと。

一般的には35年。最近では40年で組める銀行もあります。期間が長くなれば長くなるほど毎月の返済額を低くできるメリットのかわりに利息はたくさん払うことになる。

35年返済ではなくて定年時の年齢に合わせて25年や20年などの短い期間で借りるべきという専門家やFPもいます。特に損得を気にするお客さんは短くしたがる傾向が強いです。

確かに返済期間だけを見れば短く借りた方がお得になるのは事実。でも、私は住宅ローンを組む期間は35年などできるだけ長い期間に設定するべきだと思いますね。理由はいくつかありますが今回は2つ。

『月々の返済の負担軽減』

新居で生活がスタートすると思ってもみなかった出費が発生します。「あれっ、思ってたよりも光熱費がかかる」「ガソリン代が上がった!」「食費や生活用品の相次ぐ値上げで生活費が増えた!」など。

損得だけで最初から期間を短かくして返済しようとすると不測の収入減や予想以上の出費があったときに日々の家計が苦しくなる可能性がありますよね。

仮に3,000万円を金利1%で借りると35年返済は月々84,685円。20年返済は月々137,968円。差額は53,283円。返済期間を短くすれば当然ながら月々の返済額がかなり増えるわけです。

結果的に家計に何のトラブルもなく完済ができれば総返済額は20年で借りた方が少なくなります。でも、今までの人生で20年30年何のトラブルもなく過ごしてきた人は少ないはず。

住宅ローンはお得な方法よりも安定した生活を送りながら無理なく返済できる「安全な方法」を取るべきです。

「20年で返そうとしていたけど毎月の返済がきつくて家計が苦しい・・・。やっぱり35年にしておけばよかった・・・」と後悔している人は意外に多いのです。

しかも、返済が苦しくなって「短い期間を長くする」という変更手続きはとても大変で。というかできない可能性があります。再度のローン審査も必要でもちろん諸費用もかかってしまいます。

対して、「35年で借りてたけど家計に余裕があるから20年で返しちゃおう!」という手続きはとても簡単です。

長い期間を短くするには「繰り上げ返済」という手続きをすれば簡単に期間を短くすることができます。繰り上げ返済とは仮に100万円の余裕資金ができたときに毎月の返済額とは別で銀行に返してしまうこと。

まず、ローン残高が100万円減ります。加えて期間も何か月か短縮できて当初の100万円にかかるはずだった利息も払う必要がなくなります。繰り上げ返済には審査もありません。

なので住宅ローンスタート時の返済期間は長めにしておいて途中で返済期間を変更できる方を選んでおくのが無難です。

『団体信用生命保険の存在』

住宅ローンを利用するときは「団体信用生命保険」という保険に加入することが条件です。「団体信用生命保険」とは住宅ローン契約者が死亡、または契約次第でガンになった場合に残りの住宅ローンが0になるという保険のこと。

もし、住宅ローン契約者が3,000万円のローンを組み何年後かに死亡してしまったとき団体信用生命保険に加入していればローン残高が0円になります。

もし、あなたが今40歳だとして、「25年返済の65歳完済予定」と「35年返済の75歳完済予定」のどちらを選びますか?

完済予定まで返済を続ける前提だと25年返済の方が支払う総額は少ないですが。もし、66歳のタイミングでガンになってしまった、または死亡してしまったとしたら?

35年返済は団体信用生命保険が適用されて残りの住宅ローンが0円になります。もちろん、未来のことはわからないので予測はできないですが。

でも、住宅ローンを借りることは同額の生命保険に加入するのと同じこと。25年返済は25年の生命保険。35年返済は35年の生命保険です。

団体信用生命保険の保険料は住宅ローンの金利に含まれていて銀行負担なので使わない手はありません。利息の損得ではなく団体信用生命保険のことまで考えて返済期間は長くしておいた方が私は良いと思いますね。

『お得より安全な方法で』

以上のようなことから住宅ローンの返済期間35年などで設定するのがオススメです。あなたの家計の状況や貯金額、年齢、連帯債務にするかしないか?などの要素はありますが。

「子どもがいなくて教育費がかからない」「夫婦とも会社員で家計の体力がある」「退職金も十分見込める」など。家計にかなりの余裕がありそうなら最初から短く設定してもいいでしょう。

ただ、子どもが2人いるなど一般的な家庭においての返済期間の基本的な考えは長めの設定で。上記を参考にしてもらえば家計のお金の失敗や後悔は限りなく少なくなりますよ。