静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローン育休中は家計最大のピンチについてお伝えしますね。

「産後パパ育休(出生時育児休業)の創設、育児休業の分割取得」男性の育児休業取得を後押しする施策が去年10月1日からスタート。私の弟も4か月の育休を終えて1月から仕事復帰。奥さんは4月から復帰予定です。

今回の主な改正点は「原則1か月前まで→休業2週間前までの申請で取得可能」「2回の分割取得が可能」「育休中の就業が所定の半分までなら可能」など。

男性も女性も育児休業の取り方、タイミング、期間などが柔軟に選択できるように。ただ、男性の育休取得は様々な事情でハードルが高いと思いますね。世の中に浸透するのはまだまだ時間がかかるでしょう。

『育休期間は給料の8割』

基本的に育休手当の支給額は給料の67%、育休開始6か月経過後は50%で計算します。仮に奥さんが育休を取得したとして給料20万円だとすると。ざっくり計算で育休手当は20万円×67%=13.4万円。

育休手当は住民税を除いた社会保険料の免除、また税金は差し引かれないので実質は給料の約8割がもらえる。(住民税は前年の住民税を翌年に支払う制度のため)

仕事をしていなくても6か月は給料の8割が確保できるのは家計にとってかなり大きいメリットですよね。

『出産前後は家計最大のピンチ』

「今から5年くらいを乗り切れば家計の負担は軽くなるので節約しすぎずに頑張りましょう!」マイホーム予算診断を受けられたある共通する家計状況の人へ伝えるアドバイス。

何かというと今後出産を控えている、または第一子出産直後の家庭へのアドバイスです。「子どもの大学進学」「老後の年金収入」に突入する人生の大きな谷に家計が苦しくなるのは一般的ですが。

人生で家計最大のピンチが出産前後に必ずやってきます。なぜなら、第一子の出産時期と家を買う時期が重なる家庭がほとんどだからです。

出産を機に奥さんが退職。奥さんの収入が0になってはじめて家計のピンチに気づくことが多いんですね。逆にいうと、「出産準備で妻が退職→収入が0になる→第一子出産→住宅ローンがスタート」

という流れを最初から分かっているかどうかで家計の不安を最小限に抑えることができるのです。

『第一子出産と住宅購入はセット』

「あなたはなぜ家を建てようと思いましたか?」と質問すると「子どもが生まれてアパートが手狭になったから・・・」という回答が圧倒的。

他にも「子どもが小学校に入るまでに・・・」「庭がある一戸建てで子供をのびのび育てたいから・・・」など。子どもの成長によって家を建てようと思うのが最大の理由。

割合でいうと第一子妊娠中または誕生後に家を建てる人が圧倒的に多い。家族が増えることで家を持ちたい、広い家で暮らしたいという理由は自然な流れですよね。

『収入は減り支出が増える』

出産を機に奥さんが退職して収入が0になる。退職はしなくても育休期間は最初6か月は給与の約67%、残り6か月は50%で世帯収入は減少。収入は下がってもミルクやオムツ代などベビー用品の支出は増えていく。

奥さんが育休から復帰してもしばらくは時短勤務。家賃より2~3万円増えた住宅ローンの返済に加えて保育料などの負担が家計を圧迫してくるのは間違いありません。

最初からなんとなくわかってはいても子どもが年少になるまで保育料が多くかかるし。住宅ローン返済も重く感じると改めて感じることになるのです。

『赤字になりそうな5~6年』

育休により世帯収入は下がるけど支出が増えれば黒字家計にするのは簡単ではありません。生まれる前の共働き時代は超余裕だった家計が。出産を機に家計貧乏、赤字に陥ってしまう世帯が多々見られます。

なぜなら、住宅ローン返済や税金の支払いはもちろん、保育料、子どもの習い事、軽からファミリーカーへの買い替えなど。子どもが生まれると予想以上に支出が増えていくからです。

習い事は年少から始める子が多くスポーツと勉強を週1ずつだと月1万円~1万5千円。成長するにつれて熱心にやっていけば月2~3万円はかかります。

もし、家計が苦しくなっても子どもの習い事を削ろうとする親はいませんよね。子どもがやりたいことなら多少無理してでもやらせてあげることでしょう。

特に子どもが生まれる前と後では親の価値観もかなり変わります。習い事を含む教育費の支出は想像以上にかかると思っておいた方が良いです。

特に子育て期は夫婦ともにストレスを抱えやすい時期だと思うので家計全体のお金の問題だけは事前に解消しておきたいもの。

『まずは直近5年の家計を明確に』

もし、あなたが今後第1子、第2子の出産の予定があるのなら?今後5年くらいの家計は劇的に変化します。支出が増えてお金のストレスを感じる可能性があることはあらかじめ理解しておくと気持ちも楽。

ひと昔前と違って最近は手持ちの現金がなくても全額フルローンで借りられる時代。無理した身の丈以上の資金計画でも住宅ローンさえ通ってしまえば?あなたの理想の生活や欲しい物が簡単に手に入れられてしまう。

でも、便利な世の中とは違います。車のローンに住宅ローン。何でもローンで借りられるということは家計を追い詰めるだけ。いつまで経ってもローンを返し続けなければなりません

『借りられる額ではなく返せる額』

以上のようなことから家計のお金のことは家を買う前に建てる前に将来をどれだけ見据えてどれだけ具体的に考えていたか?でほぼ決まってしまいます。

一番のポイントは住宅ローンは「借りられる額」ではなくて「返せる額」を考えられるか?

出産前の住宅購入は夫婦の収入を合算して住宅ローンを決める人がほとんど。一生2人分の会社員収入がある前提で借りられる額で借りてしまう。でも、出産を機に奥さんが退職したら?明らかに借りすぎな無謀な計画。

「借りられる額」というアクセルではなくて。あなたが「返せる額」というブレーキを自分でかけられるかどうか。営業マン、銀行、無料相談のFPなど。あなたの周りにはアクセルを踏んでくる人ばかり。

でも、ブレーキをかけられるのはあなたしかいません。特に最近は住宅価格が上がっているので見積もりが膨れ上がって資金計画に無理がある人が目立ちます。

もしあなたが今後出産を控えているのなら?家を建てる前に一番最初に資金計画が家計に本当に無理がないか?をじっくりと考えてみてください。数年以内に家計最大のピンチが間違いなくやってきます。

でも、不安に思わなくても大丈夫です。実際に95%以上の人は家を建てるときに将来の家計について真剣に考えたり公平なシミュレーションを作ってはいません。

資金について考えることは面倒だからです。住宅展示場のモデルハウス巡りをした方が楽しくてお金のことは後回しにしがち。でも、あなたは本当はお金のことが一番不安ではありませんか?

私のブログにたどりついているあなたはお金のことを真剣に考えようと思っている5%派。あなたが家を建てる前に借りられる額より返せる額で実際に家を建てれば購入後のローン返済に追われる心配はありません。

あなたが家を建てる前、契約前、いや、まず一番最初に適正な住宅購入予算の資金計画を含めた家計のお金とじっくりと向き合う。

向き合えば向き合うほどお金の不安がなくなり家づくりもストレスなく楽しめるのです。結果的に家を建ててもお金が貯まる家計になるのですから。