静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが静岡移住オススメ物件を買ってはダメについてお伝えしますね。

「基本、テレワーク。会社の近くに住む必要もなくなったのでもっと快適に暮らしたい!」コロナ禍で働き方や価値観の変化で地方に移住する動きが活発になりつつありますよね。

「田舎暮らしで子どもをのんびり育てたい!」という需要は昔からあって移住のタイミングで転職するのが普通だったのが。テレワークの普及で地方移住しても転職せずに働けるように。

「テレワークで通勤時間がなくなり家族との時間を大切にできる!」「都会と違って物件が安くて住居費用も安い!」など。地方移住のメリットは大きいですよね。

利便性重視で住まいにあまりこだわりがなければ駅近マンション、建売住宅が選択肢。「予算をあまりかけられないので手頃な建売や中古の一戸建てを検討しています」という田舎暮らしの相談が今までも多い感じです。

田舎暮らしに憧れている方は市が主催の移住体験ツアーなど。築30年以上など築年数が経ったリフォーム、リノベーション済みの中古住宅がオススメ別件として紹介されることが多いのですが…。

『私なら中古住宅は買わない』

個人的に築年数が経ったリフォーム済みの中古住宅は私なら買わないです。なぜなら、物件の見極めがかなり難しいから。

状態の良い中古物件を選ぶのはかなり難しいです。理由は目に見えない部分の確認が難しい、物件をパッと見たときの外見など目に見える部分のリフォームをしている場合がほとんどだからです。

キッチン、風呂、洗面台、トイレが新品に替わっているのは当然として。壁紙、床の張替え、建具交換、外壁材など。家を買う人が「えっ、全然キレイじゃん!」と思うような見栄えだけに目がいってしまう。

対して目には見えない部分、耐震や断熱などの性能面を上げるためのリフォーム工事はほぼしていないのが現実。外見だけ新品にリフォームされた物件を買ってしまうと?

『夏は暑くて冬は寒い』

築30年以上の中古住宅。見た目は新しくキレイになっていても性能は30年前のまま。断熱材は昔ながらのものが使われたままでかなり劣化しているでしょう。重要な家の土台の基礎部分の劣化も。

当然、性能も良くないので家の外から隙間風がどんどん入ってくる。結果的に冬は寒くて夏は暑い家になってしまう。

断熱性、気密性が悪ければものすごい光熱費がかかります。例えたら30年前の燃費が悪い車に今乗るようなもの。

もし、あなたが築年数がかなり経っている中古住宅を買いたいのなら?毎月の光熱費、メンテナンス費用が新築物件よりもかなりかかることを想定して購入する必要があると思いますね。

『中古物件に住んでいた人の声』

10年近く前の話。静岡県内で転勤を頻繁に繰り返していた子どものいなかったご夫婦に出会ったことがあります。旦那さんの転勤ごとに築年数が経った中古住宅を退職まで6~7回購入して暮らしていました。

退職されるときに印象的だった言葉が「最後は今の中古物件を売って新築を建てたい!」というもの。

「冬は寒いし夏は暑い」「光熱費が高い」「色々壊れるからメンテナンスが大変」「間取りの使い勝手も悪い」「外壁などの大規模な修繕が必要」などの理由からでした。

購入したときは「家にお金をかけても仕方がないし新築より断然安くてリフォーム済みでいいじゃん!」と思ったそうです。まさしくリフォーム済みの中古物件の落とし穴にハマってしまった感じだと思います。

『どんな物件を選ぶべき?』

「田舎暮らしに憧れているから」「予算的に厳しいので中古物件しか…」という方もいると思います。だとしても…。

私が実行して欲しいことは「リフォームしていない中古物件を買って断熱性能や気密性能を上げる工事から行う」という手順。

加えて「屋根や外壁の防水工事」など。まずは優先順位として家としての性能を上げるリフォームを行う。

まだ予算的に余裕があるなら?「キッチン、お風呂、洗面台、トイレ」「床や壁紙、建具」などの見た目に費やす順番にした方が間違いなく快適に暮らせると思いますね。

見た目のキレイさに目を奪われるのはよくわかるのですが…。せっかく買っても買ったあとに暮らしの不便さで後悔してほしくないからです。

「金額の安さだけにとらわれない」「リフォーム済みの中古物件の見極めは本当に難しい…」いうのはよく覚えておいてくださいね。