静岡市の住宅ローン、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが家賃を目安に住宅ローン危険すぎる理由についてお伝えしますね。

「今、アパートに住んでいて子どもが生まれて部屋が手狭になったので家が欲しいと思っています。家賃と同じくらいの金額でマイホームが建てられると聞いたので…。」めちゃめちゃよくある質問。

「家賃並みの支払いでマイホームが手に入る!」と言われたら家が欲しくなるのはごく自然なこと。誰もが手狭なアパートより広い家の方がいいですよね。

でも、結論からいうと家賃並みの支払いでマイホームは手に入りません。家賃並みの支払いで家は建ちません。

そもそも家賃と住宅ローンはイコールにならないのをあなたは知っていますか?「家賃を目安に住宅ローン」というのはむしろ危険すぎる考え方。

今回は「家賃を目安に住宅ローン」が危険すぎる5つの理由について解説しますね。

『月々の返済額が変わるから』

月々の住宅ローン返済が家賃と同じになる人は「35年固定金利」や「フラット35」など。最初から最後まで支払いが変わらない「全期間固定金利」で借りた人限定の話。

県内で住宅ローンを組んでいる7割以上の人は今は低金利の「変動金利」を選択。変動金利は文字通り金利が変動する住宅ローン。将来の金利上昇により毎月の返済額が上がる可能性があります。

もし、スタート時の月々の住宅ローン返済が家賃並みだったとしても…。完済するまでずっと同じ金額ではないということです。

「家賃並みの支払い」という謳い文句は35年返済を40年返済に延ばしたり。ネット銀行のかなり低い変動金利を利用していたり。

売り手側が都合良くあたかも家賃並みの支払いで購入できるかのように返済額を安く見せているだけです。

『ランニングコストがかかるから』

ランニングコストとは家の維持管理のために必要な費用のこと。代表的なのは修繕費です。家の修繕が必要になるのは一般的に築10年を経過後から。(10年間何もしなくていいということではありません)

持ち家を購入したら築年数の経過に応じて100万円単位で外壁、屋根などの修繕費用、25~30年近く経てばキッチン、お風呂、トイレなどの水回りの交換もしていかなければいけません。

また、マンションの場合は月々の返済以外に駐車場代、管理費、修繕積立金など。物件価格によって変わりますが月々プラス3万円くらいを一生払い続ける必要があります。

その他でいうと「固定資産税」などの税金です。土地や家を購入した人(不動産を所有している人)が必ず支払わなければならない「固定資産税」。ざっくりですが月1万円くらいとして年間で12万円。

また、火災保険や地震保険も必要。火災保険料は建物の金額、構造、補償内容で異なります。地震保険は単体では加入できず火災保険とセット。

どちらも最長5年加入。保険会社は毎年の水害による支払いで火災保険料は定期的に値上げし続けています。5年ごと一括払いでざっくり30万円~50万円は見ておく必要があります。

上記のランニングコストは賃貸物件では家財の火災保険以外はかかりません。住宅ローンが家賃並みの支払いで済むと思っていると上記のようなコストが後々ものすごく大きな負担になってしまうのです。

『学費がかかるようになるから』

なんといっても大きなお金がかかるのは子どもの学費です。マイホームを手に入れる時期は第一子誕生後の家庭が圧倒的。マイホーム購入時には保育料以外の教育費はほぼかかりませんよね。

「文部科学省、平成30年度子供の学習費調査」によると子ども大学まで行かせるのに全て公立でも一人あたり約1,100万円はかかると言われています。(大学の仕送り、アパート代は含まず)

上記の他に学習塾、部活動などの活動費。大学は県外の私立に進学すれば公立以上にお金がかかりアパート代を含む仕送りが追加でかかります。子ども2人なら学費は2倍かかることになりますよね。

『収入が下がる可能性があるから』

収入が下がるケースは人によって様々。例えば、「家賃補助」のある人。賃貸住まいのままなら今まであった「家賃補助」がマイホーム購入のタイミングでなくなります。

つまり、「家賃補助」のある人は新居を購入すると同時に給料が減ってしまうということ。その他には40代後半から50歳前後は関連会社に異動や出向などで給与が2~3割下がるケースがあります。

30歳前後で第一子が生まれるとアラフィフ世代は子どもが高校生や大学生。まさに学費が一番かかる時期に給与が減ることに。

子育て世代においては子どもの成長と共にマイホーム購入直後とは比べ物にならないくらい確実に将来的に支出が多くなり家計に与える影響はかなりのものになります。

また、給料減ではないですが購入後10~13年間で住宅ローン控除期間が終了します。住宅ローン控除とは住宅ローンを払っている人に対して毎年所得税と住民税の還付(ディスカウント)がある制度。

控除期間が終わると同時に合計で数百万円の還付があった税負担が元に戻るのも家計にとってかなり大きな影響だと思いますね。

会社の業績不振、人員整理、早期退職、自身の体調不良による収入減以外にも。上記のような自然と収入が下がるケースがあることも考慮しておかなければいけません。

『マイホームは簡単には手放せない』

「賃貸と持ち家どちらがお得?」いつの時代も答えのない永遠のテーマ。もし、家計が苦しくなったときに賃貸なら今の家賃より安いところに引っ越しが可能です。

でも、マイホームの場合は駅近などのマンションを除いて一戸建ては簡単にはなかなか売れません。すぐに買い手はつきにくい。売れたとしても売却損で住宅ローンが残るのが圧倒的に多いです。

生活が厳しくて家を売ったのに…。残りの住宅ローンを払い続けながら新しい家賃も同時に払っていくことになりかねません。

『今払えるかではなく将来まで払えるか』

他にも様々な危険要素があるのですが。将来的に収入が減る可能性や支出が増えることもあり家賃を目安にした住宅ローンの設定は危険すぎます。

物価上昇以上に今後、給料が毎年右肩上がりに増えていくのが確実であれば問題ありません。でも、一部の人以外は給料が上がっていないのが現状です。

やはり今の家計だけで住宅ローンが払えるのかを判断するのではなくて。未来にかかるお金のこともしっかり考えた無理のない購入予算設定がマストなのは間違いありません。

付け加えると無理のない購入予算を把握することが大事なのではありません。無理のない購入予算を把握して家を買うことで住宅ローンに追われる生活ではなくなります。

旅行や趣味や欲しい車な家族で豊かに暮らせるお金を節約することなく自由に使えるのです。あなたの家計に無理のない購入予算を把握して家を買うことが家族の未来をあなたの将来を幸せにするのです。

せっかくマイホームを手に入れたのに…。節約や我慢ばかりで住宅ローンに追われる生活だけは避けてくださいね。