静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローン破産しやすい人5つの特徴についてお伝えしますね。
「今のままの家計ではマイホームを購入するのはかなり厳しいと思います…」10組相談を受けたら2~3組に伝えなければいけない現実。
「今の状況で家を建てたらヤバイ!」「家を建てる前から赤字家計なのに大丈夫?」「家を建てたら早いタイミングで住宅ローンが払えなくなる可能性が高いよ!」という相談者さんたちのこと。
一昨年、去年、今年など最近の「家を建ててはいけない家庭の共通点」は主に3つ。「家計簿をつけていない」「クルマの残価設定ローンを組んでいる」「買い物のほとんどがQRコード決済」
3拍子揃っている家庭の原因はシンプルにお金の使いすぎ。貯金もほとんどありません。ダブル、トリプルローンは当たり前。今のままで家を建てると確実に不幸になってしまう。
家計破産しやすいシミュレーション結果になる家庭には他にもいくつかの共通点が。なので今回は住宅ローン破産しやすい人5つの特徴について解説しますね。
『残価設定ローンを組んでいる』
「月々の支払いが安くできる」「5年後などの買取保証付き」などのメリットがあるマイカーの残価設定ローン。実際はメリットよりもデメリットの方がたくさんあるのですが…。
仕組みは本体価格から購入時に確定する将来の下取り額を引いた部分のローンを組む。通常のマイカーローンより月々の支払いが安く済む。ただ、問題は500万円以上の高級ミニバンまでも容易に手に入れられてしまう怖さ。
特に、「自分の年収と変わらない」または「年収より高いクルマを残価設定ローンで組んでいる人」は正直、家を建ててはいけない人。なぜなら、住宅購入も理想を求めて大幅に予算オーバーになってしまう可能性が高いからです。
「手数料が多くもらえる」「乗り換え提案がしやすい」「高額車を売りやすい」「状態の良い中古車が手に入る」など。残価設定ローンは購入者よりも販売店の方にはるかにメリットが大きく購入者にはデメリット。
現実的に「月々の支払いを安く抑えたい人が5年後に買取(自分所有に)する可能性はほぼない」「販売店の思惑どおりに乗り換えの提案がしやすい」「結局乗り換えるしか選択がなくて残価設定ローン払いが永遠に続く」など。
「住宅ローン金利は気にするのに残価設定ローンの金利は気にしない」「貯金が30万円しかないのに500万円の車を残価設定ローンで買ってしまう..」「年収400万円で500万円の車を残価設定のローンで買ってしまう..」など。
「車以外に趣味も興味もない」「毎週のように家族でキャンプに行く」「車中泊することが楽しみ!」というのならクルマにお金を費やすのもいいかもしれませんが..。
欲しい乗りたいクルマがあったとしても今後、住宅ローンを組むのなら?マイカー購入は基本的に年収の半分以下の金額にしておかないと?ローン以外の支出にも負担が増して早いタイミングから家計は苦しくなっていく可能性が。
『住宅購入が40歳以上』
晩婚化の影響で住宅購入する平均年齢も年々上昇。なぜ、40歳以上の住宅購入は家計破産のリスクが高まるか?の理由は主に2つ。
1点目は借りすぎてしまうリスク。20代、30代より40代は年収が高くて借りすぎてしまう可能性。夫婦共に正社員ならさらにたくさん借りられてしまう。「借りられる額」と「返していける額」はまったく違うからです。
2点目は購入年齢が高くなればなるほど退職までの期間が短く返済が厳しくなる。住宅ローン借入れ自体は年収が多い少ないは重要ではありません。
重要なのは返済期間が長くあるかどうか?同じ借入額でも30歳と40歳では退職まで10年の差。10年の差は住宅ローン返済ではものすごく大きい。
40歳以上で第一子が誕生後にマイホームを購入すると?退職時と子供の大学進学期間が重なる可能性。65歳の退職までは安定収入があるので住宅ローンも問題なく返済できます。
でも、退職以降の再雇用は収入が5~6割に減少。住宅ローン返済が続く65歳以降は一気に赤字家計へと転落してしまう可能性が高いのです。
結果的に少しずつ貯金を崩してしまっていった結果、ローンは払えなくなるなど老後破産してしまう。誰もが収入がある今は住宅ローンが払っていけるけど。問題は現役収入が終わった後の家計なのです。
『退職金がほとんどない』
仕事を完全に終えた老後の生活は毎月の年金収入。残りの足りない分は預貯金を切り崩す生活になるのが一般的ですよね。
月の年金額より支出の方が多ければ少しずつ貯金を切り崩していく生活。ということは退職のタイミングでいくらお金があるのか?がめちゃめちゃ重要。
お金を無理なく貯める、増やすには20年30年の時間を味方にしなければいけません。退職後にお金を増やすのは時間的に不可能。
60歳までにコツコツ貯めた貯金や資産運用以外に2,000万円近い退職金が見込める人なら?家計に余裕があるので散財しない限りは老後破産する可能性は極めて低いでしょう。
逆に言えばまとまった退職金が見込めない人、「退職金額が未定」「退職金自体が少ないまたはない」という人は老後破産する可能性がかなり高まってしまいます。
企業の退職金は年々減少傾向。あなたがまとまった退職金が得られないのであれば?今のうちから時間を味方に自助努力で貯めて増やしていかないといけません。
『子供が3人以上』
さらには教育費。文部科学省の全国統計によると小学校から大学までずっと公立(国公立)の学校に進むなら一人にかかる教育費は最低約1,000万円。
対して高校や大学から私立を選択したり県外で仕送りが必要な場合は1人あたり最低約1,500万円の教育費が必要。あくまで平均の金額。子どもが3人とかになると教育費の総額は住宅ローンを超える金額ですよね。
最近は住宅価格が上昇しているので、「マイホーム購入のために本当は子ども3人欲しいけど2人にします…」的な家庭も。家族のライフプランより住宅購入が目的、優先になるのはちょっと違うと思うのですが。
子どもの進路によって教育費は大きく変わります。「将来、子どもを何人希望するのか?」教育費の総額はマイホーム購入後の家計に多大な影響を与えるので家族のライフプランは購入前にしっかりと考慮して欲しいですね。
『預貯金が100万円未満』
社会人になってまだ2~3年で預貯金がないのは別として。社会人になって7~8年。結婚して1~2年。10年近く働いてきて夫婦で預貯金が30万円とか50万円。100万円未満の家庭は住宅ローンを組むにはちょっと厳しいかと…。
なぜなら、「お金の使いすぎ」でほとんど貯金ができていないことを意味するからです。「結婚式を挙げたばかり。車を現金で買ったばかり」など。人生には大金がかかるタイミングがありますが。
現時点(30代)で夫婦で貯金が100万円未満のマイホーム購入は要注意。なぜなら、家を買う建てる前が一番お金を貯められるタイミングだからです。
家賃よりも今後の住宅ローンの方が月の支払いは確実に増えます。今までお金が貯められていないのに今後もお金を貯めることができない可能性が高い。今までの支出体質は簡単には治らないからです。
「奥様が出産後で今は働けない」「貯金の代わりに保険で貯めている」などのプラスの要素があるなら話は別ですが。
必要以上に保険で貯金をしすぎていて毎月がカツカツの家庭も。家を買う前に保険で貯めるのはあまり良い方法ではありません。家計が苦しく途中で解約したら損することになるので逆に気を付けなくてはいけませんよ。
『購入よりもまずは家計改善』
以上お伝えしてきた5つの特徴はあくまでも私が相談を受けてきた経験からの話。上述の人が「将来、家計が破産しやすい」と断言するものではありません。
ただ、当てはまる数が多ければ多いほどマイホーム購入は家計のリスクが増えるのは事実。まずは現状の家計の把握、家計簿をしっかりと付けることからです。
実際にはその他の要素も多々あるので詳細な家計のシミュレーションをしてみなければ家庭ごとに明確なことは言えません。
住宅展示場に行く前に。建築先選びをする前に。土地探しをする前に。まずはじっくりお金の不安を解消してから。最初にお金の不安を解消できれば自分たちのペースで家づくりを進められます。
営業マンに乗せられて身の丈以上のローンを組むことにもなりません。家を建てる前にお金の不安を解消することができれば?家を建てたあとも豊かに幸せに暮らせることができるのですから。