静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローンはお得に借りてはいけないについてお伝えしますね。

「借金6,000万ですよ!6,000万!!」先日、某芸人さんがいくつかのTVで5月に完成した新居を紹介していました。都内で土地からの注文住宅。建築先は高価格帯の大手ハウスメーカー。

2F建て屋上付きの3SLDK。奥さまの要望が詰まったこだわりの建物。土地の広さは不明ですが都内なので土地と建物の合計だけで1億円以上はするはず。

以前に住んでいた建売住宅の売却益や頭金などを投入して住宅ローンを組んだと思われます。ネット情報で調べた限り某芸人さんの年収は推定4,000万円。実際はもっとあるかもしれませんが..。

住宅ローン返済期間は48歳から27年で75歳完済予定。高年収の芸能人とはいえ個人事業主の立場でお笑い芸人さんという不安定な職業。

「住宅ローン75までですよ!!」と某芸人さんは強調していましたが…。私には笑いを取りにいってるというより「75歳までのローンは大変だな…」という切実な声に聞こえましたね。

さて、あなたは推定年収4,000万円の某芸人さんの1億円を超えるであろう住宅購入は無謀だと思いますか?それとも妥当だと思いますか?私の答えは…。

『75歳まで同じ年収が続けば妥当..』

正確に住宅購入価格がいくらか?は不明ですが、仮に住宅購入総予算(諸経費・家具・家電等も)が1億2千万円までとして。今の年収4,000万円が75歳の完済までずっと続くのであれば?無理のない住宅購入の予算だと思います。

もちろん、毎月の支出情報、今後の定期的な支出情報が不明なので無理のない購入予算というのはあくまでも推測の話。

年収が3,000万円で最低25年は同じ収入が続く前提の会社経営者など。今後の様々な支出もじっくりとお伺いして。住宅購入予算が1億円を超える算出を私は数多くしてきた経験が過去にあるからです。

逆に言えば某芸人さんが推定年収4,000万円が今後10年くらいしか続かなかったとしたら?1億円を超える住宅購入はかなり無謀だったということに。

付け加えて言うなら年収(収入)が減ったとしても..。今までの生活レベルをローン負担が増えたからといって支出を落とすことは容易ではないからです。お金の使い方は簡単には変わりませんから。でも…。

『芸人は借金してナンボの世界』

一般人には理解不能ですが芸人さんには名言とか格言のように言われている言葉。「売れるためには借金を目一杯しろ!いい家に住んでいっぱい借金すれば仕事頑張って売れるぞ!!」というのを耳にします。

推定年収4,000万円で6,000万円の住宅ローン。48歳の年齢で不安定な収入というのを考えると最初から15年とか20年の返済でも返せそうな気がしますが..。

「芸人という不安定な職業だから最初からハイペースで返すのはちょっと危険だな…。この先何があるかわからないし。あまり無理しないで余裕を持った返済計画にしておこう..」という選択をしたのかもしれません。

「〇〇銀行で借りたかったけど満額はNGだった..」「変動金利で借りたかったけど通らなった..」「芸能界は不安定だから審査が厳しい..」「個人事業主は会社員や公務員と比べて信用度が低い..」など。

住宅ローンを満足に借りられるかどうかは様々な理由が考えられます。他の番組ではいくつかの金融機関に断られたと言っていて。結果的に某芸人さんは無理のない住宅ローンの返済計画を立てたのではないでしょうか。

『ローン返済はお得ではなく安全な方法で』

支払う利息だけを考えたら?住宅ローンはとにかく短期間の返済の方がお得。所得税の還付や住民税の減額がある住宅ローン控除を最大限活用しようとするなら?夫婦でペアローンで借りた方が得なケースがあるのも事実。

ただし、上記は夫婦の今の収入が減らずに定年までフルタイムで働き続けることができたら?という前提での話。「結果的にお得な借り方・返し方だったねー」ということになりますよね。

つまり、住宅ローンの借り方や返済方法がお得になるかどうか?は借りる時にはわからないのです。住宅ローンを無事に完済したときにはじめて実感できることだからです借り始めるときに損か?特か?は考えようがないのです。

例えば、あなたは3年後の自分の体調や収入がどうなっているか今イメージができますか?3年後ならバリバリ働いているイメージが普通に想像できるでしょう。

では、あなたは10年後15年後の自分の体調や収入がどうなっているか今イメージできますか??10年後15年後の中長期になると今イメージすることは難しくありませんか?

つまり、あなたの未来のライフプランにおいて今後何が起こるかはわからないし先は読めないのです。もし、今後何らかの理由で収入減になったり家族が働けなくなったら?家計が一気にピンチに陥ってしまいます。

「住宅ローン返済はお得に借りようとするのではなく安全な方法でスタートする」ことで不測の事態や予期せぬ家計のピンチも未然に防ぐことができます。

住宅ローン返済は完済というゴールから逆算して計画を立てる。今、収入や家計に余裕があってもまずはマイペースでローン返済をスタートする。

マイペースを守っていって余裕があれば途中で繰り上げ返済をするなど。余力があれば途中から返済ペースを上げることができるのですから。