静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが40代からの住宅ローンは要注意についてお伝えします。
「夫46歳、妻33歳」「夫58歳、妻39歳」先日、年の差10歳以上のご相談が続きました。ところであなたは今、何歳ですか?あなたの年齢に35を足すと何歳になりますか?
住宅ローンの繰上げ返済を一回もしなかったとして。あなたが30歳なら65歳、35歳なら70歳、40歳なら75歳が住宅ローンを完済する年齢になりますよね。
ちなみに46歳だと完済年齢は35を足した81歳にはなりません。一般的な金融機関では完済年齢は80歳未満に設定されているからです。79歳以下になるので46歳の返済期間は最長でも33年。
『完済平均年齢は年々上昇』
20年前の住宅ローンの完済年齢は平均68歳。2021年現在の住宅ローンの平均完済年齢は73歳まで上がっています。主な理由は2つ。1つは晩婚化の影響。もう一つは借入額が20年前より1,200万円増加しているため。
退職までに住宅ローンを返し終わるという時代から今は老後も返済する時代に。いや、人によっては一生かけて返済していかなければいけない時代に突入したと言えるでしょう。
今までは65歳くらいで住宅ローンが完済できれば何とかなっていたけど。今後は65歳以降の長期的な資金計画なしでは家計が回らなくなってしまうことを意味するわけです。
『住宅購入は早い方がいい』
晩婚化や借入額の上昇の理由があるにしても家を買うタイミングは人によって違いますよね。もし、あなたが家を建てることを決めているけど何らかの理由で迷っているのなら?
「1歳でも若いうちに買った方がいい」が正解。なぜなら、お金だけの問題でいえば住宅ローンは早く始まれば早く返し終わるからです。
あなたが30歳なら+35年で65歳まで長く返済できます。60歳退職で再雇用で収入が下がっても30年は安定収入がありますよね。
では、もしあなたが45歳なら79歳まで34年の返済期間がありますが。60歳退職だとしたら?15年しか安定収入がありません。65歳まで再雇用で働けるにしても61歳からの収入は現役時代の50%程度に下がってしまいます。
『年収で判断すると借りすぎる』
もし、あなたの年齢+35年が70歳以降になるのなら?住宅購入はかなり慎重になった方がいいです。理由は年収だけで判断すると絶対に借りすぎてしまうから。いくらの家が買えるのか?を大きく間違えてしまうからです。
住宅購入において家を買う予算は90%以上の人が年収だけで判断します。「いくらまで借りられるか?」の借入限度額の考え方。住宅営業マンも銀行も興味があるのは、「いくらまで借りられるか?」だけ。
借りる側も年収が高い人は高い予算、年収が低い人は低い予算で考えます。一般的に20代より30代、30代より40代、40代より50代の方が年収は高くなりますよね。
でも、20代より30代、30代より40代、40代より50代の方が勤続年数は短い。もし、50歳の年収で高い予算の家を買ってしまったら?60歳退職だったら10年しか安定収入がありません。
65歳まで働けたとしても年金収入だけになったときは今までと同じペースで住宅ローンを返済するのはとても難しい。健康上の問題など長く働けなくなりリスクもつきまといます。
『40代以降に家を買うポイント』
特に40代以降の人がマイホーム購入を検討するときに考えるべきことは主に3つ。
- まとまった退職金があるかどうか
- 60歳以降も給与が大幅に減らない仕事に就けるか
- 現時点の預貯金が1,000万円以上はあり借入額を軽減できるか
3つのうち2つを満たしていれば借入額さえ適正なら住宅ローン返済で家計は大きな問題にならないでしょう。でも、もし1つも満たしていないようなら?40代以降の購入はかなりのリスクと判断するしかありません。
『銀行は完済年齢に興味はない』
「住宅ローンは80歳近くまで借りられる」というのが多くの銀行で採用されているルール。一生借金を背負って生きていくのが当たり前に時代になるのでは?と思ってしまいます。
あなたは一生をかけてローンを返していくことについてどう思いますか?損得だけで無理して早く返そうとするのもリスクですが。「収入があるうちになんとか返し終えたい」と思うのが多くの人の想い。
住宅ローンから早く解放されれば自由に生きられます。あなたが今40代以降で年収が高くて残りの勤続年収は短くても高額のローンを借りてしまうことができます。誰も止めてくれる人はいません。
「老後はお金に振り回されず住宅ローンも終わり悠々自適に暮らして行きたい!」とあなたが思うのであれば。家を買う前に建てる前に。
お金のことを家計に適正な購入予算のことをしっかり考えられるかどうかで決まってしまいますから。