静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅会社は間取りやデザインで選ぶなについてお伝えしますね。

「私はクルマにお金をかけたい!」「私は旅行にお金をかけたい!」突然ですがあなたは誰の価値観だと思いますか?クルマにお金をかけたい!」は旦那さんで「旅行にお金をかけたい!」は奥さんの価値観。

今まで数多くの面談をしてきたご夫婦のお金の価値観を集計してより多い意見を抜き取った結果。独身時代から車好きな男性は結婚後もクルマにお金をかけたい人が多数。実際は奥さんに速攻で却下されちゃいますが…。

住宅ローンが始まったあとのクルマの買い替えは旦那さんが乗りたいクルマよりもファミリーカーに落ち着く感じがほとんどです。

対して旅行にお金をかけたいのは奥さん。出産後子育てが始まると洋服や美容などにお金をかけられなくなりますよね。「子育てに追われる毎日だから年に1~2回の旅行は楽しみたい!」という感じが大多数です。

お金に対する価値観は男女でまったく異なるもの。夫婦で価値観は違って当然ですがあまりにも違いすぎてしまうと…。お互いにとって大きなストレスになってしまいますよね。

『建築先との価値観が合わないと…』

価値観は夫婦間だけではなくあなたと建築先についても同じことが言えます。例えば、あなたが「家は最低限の質で十分、とにかく少しでも安くしたい!」という価値観だとします。

対して候補の建築先が「いいえ、家は快適に過ごせることが一番。長く快適に暮らせるように初期費用は高くなっても材料や性能にこだわるべき!」という価値観だとしたら?お互いの価値観は全然違いますよね。

あなたが、「家の材料は安くていい。性能は最低限で十分、できるだけお金をかけずローコストで!」ということなら建築費はかなり安くなるので住宅ローンも少なく済むというメリットがあります。

一方で安さを取る代わりにデメリットは、「窓性能が低いので窓が結露する!」「断熱性能が低いので夏熱く冬寒い!」「外壁・屋根材などのコストカットでメンテナンスにお金がかかる!」」など性能面のマイナス。

さらには「職人は極限まで工賃を下げられるので職人の丁寧な仕事は望めない」「手間をかけずに完成のスピードがとにかく求められる」「結果的に手抜き工事・欠陥工事の可能性」などのデメリットがあります。

もし、価格の安さというメリットを重視するなら今後起こり得る様々なデメリットも理解をして覚悟をして納得しておく。安いには安いなりの理由がちゃんとありますからね。

もし、メリットよりデメリットの方が嫌なら?「初期費用が高くなっても材料や性能の価値に投資してメンテナンス費用を抑える」という考えの方が住宅にかかる維持費用などトータルのコストも安く済むかもしれません。

メリットを取るか?デメリットを取るか?は人の価値観なのでどちらが正解とかはありません。

でも、初めての家づくりで業者さんから提示された見積もりが家の価値に見合っているのか?高いか?安いか?を判断するのはとても難しいこと。見積りが高くても利益が多く乗っていて建築費が高いとは限らないからです。

『迷ったら業者の価値観を聞いてみる』

もし、自分で判断するのが難しければ業者さんの価値観を聞いてみてください。お金に対する価値観ではありません。

「御社が家づくりで大切にしていることは何なのか?」「営業マンの一般的な物事に対する考え方」「接する態度や姿勢」など。何気ない会話や作法の中で探れる価値観は色々とあるものです。

もし、上述の価値観があなたと業者さんで大きく違うなら?お金に対する価値観もおそらく差があるでしょう。逆にお金以外の価値観が似ていたら?業者さんが提示する見積もりにも納得ができるはずです。

ただ、見積もりで注意して欲しいのは複数の業者で見積もりして比較検討をする人がいます。正直、複数社の見積もり比較は無意味です。なぜなら、家の完成度(デザインや形)がまったく違いますからね。

材料も設備(仕様)も大工さんや職人さんの人件費もまったく違う。クルマのように完成形が同じで全て同じ条件に揃えない限り見積りを正しく比較することは不可能。前述の業者さんの仕事に対する価値観を探る方が先決です。

『間取りやデザインより人で判断』

お金のことで言うと家づくりには強弱というかメリハリが必要です。予算が限られている中での家づくり。優先順位が高いところにはお金をかける。代わりに優先順位が低いところは中途半端にせずバッサリと諦める。

メリハリをつけることが良い家造りには絶対に必要です。身の丈に合った予算内で家づくりを最大限楽しむためには?目が行きがちなデザイン性や間取りばかりを意識するのではなくて。

「あなたと建築先の価値観が合っていて同じ方向を向いていけるか?」の見極めの方が重要な要素です。同じ方向に矢印が向いていれば失敗・後悔する可能性は限りなく少なくなるので。