from:静岡 住まいのマネープラン相談 立林毅士
「創業40周年記念!
11月30日まで店内全商品50%オフ!!」
11月中旬に胃ガンの手術をした
叔父が退院したので先日、
母を連れてお見舞いに行ってきました。
叔父の家に向かう途中、
商店街があるのですが、
母が信号待ちで、
店頭に貼ってある
冒頭のポスターを発見。
「こっちに来ることは
ほとんどないから、ちょっと見たい」
と言うのでそのお店に寄りました。
合計で定価2万円ほどの衣類4点を
50%オフの約1万円で購入。
「11月中じゃなくて、12月入っても
セールやるんじゃないかな?」
と内心思いながら叔父の家に到着。
叔父の近況を聞いたあと、
そのお店に寄ってきたことを伝えると、
叔父が一言。
「あの店、年中、セールやってるよ」
『人は限定のお得感に弱い』
見事、私の予想が当たったわけですが、
人って、期限が限られてる
限定商品には敏感に反応しますよね。
他にも同じ商品でも
値札の見せ方の違いで、
「ブラウス5,000円」
「ブラウス10,000円を
50%オフ5,000円」
という二つの表示であれば、
後者の方がお得に見えるわけです。
そういう私もユニクロとかで、
限定価格の商品があると
ついつい買ってしまいます。
他にも通販番組はその典型ですよね。
「通常価格15,800円のところを
なんと本日に限り9,800円!
9,800円でご提供します!
今から30分以内のご購入に限ります!
お早めにご購入ください」
みたいなやつですね。
『12月の建築契約はちょっと待った!』
衣料品や通販商品などは
そんなに大きい金額ではないので、
仮に急いで買って
失敗してしまったとしても
家計に大きな影響はないですが、
この時期の住宅会社との契約には
注意して欲しいことがあります。
特に大手ハウスメーカーは、
この時期から着工棟数が増えてきます。
(着工とは建築工事が始まること)
今からだと12月に着工して、
引渡しは3月という流れですね。
(引渡しとは完成した建物を
お客さんに渡すこと)
大手ハウスメーカーでは、
この流れは一般的です。
でも、建物の大きさによっては、
12月着工の3月引渡しは
簡単なことではありません。
11月から1月に
着工棟数が特に増えるのには、
ある大きな理由があるのです。
あなたは
なぜだと思いますか??
なぜなら、
大手ハウスメーカーは
3月決算に向けて
目標売上数字を確保したいから。
通常、地元の工務店や住宅会社だと、
工事期間は短くても4ヶ月かかります。
4ヶ月以上かかる理由は1棟1棟、
丁寧に仕事をしているので、
最初から棟数は追いかけていません。
ハウスメーカーが3月に引渡しをして、
売上を3月決算に間に合わせるには
12月に工事をスタートするのが
必須になってきます。
たった3ヵ月で、
家を完成させる必要があるんですね。
中には、1月にスタートして
3月引渡しという
強行現場も出てきます。
ということはお客さんと、
12月に契約を交わさないと
1月から工事スタートできないですよね。
そうなると、
「3月引渡しにしていただければ
工事費用を大きく値引きします!」
っていう必殺の営業トークが。
200万、300万の値引きという
甘い言葉をささやいてくる
営業マンが出てきます。
コレって一見、
すごくお得に思えますよね。
でも、ちょっと待ってください!
冷静に考えると
まったくそんなことはありません。
別の言い方に置き換えると、
「今月、家を契約してくれたら
200万円300万円の車を
プレゼントします!!」
と言っているのと同じことです。
「家を契約したら
200~300万円の車をプレゼント!?」
そんなこと絶対にあり得ません。
じゃあ、もともとのその見積もりは何なの?
って感じです。
200万円、300万円の
値引きというのは、
あらかじめ見積もり金額に
上乗せされたパフォーマンスに過ぎません。
『誰のためのマイホームなのか?』
なので、
「3月引渡しにしていただければ
工事費用を大きく値引きします!」
というようなことは、
ものすごく危険なのです!
その理由は、
もともと限られた超タイトな
工事期間でやってるのに、
さらに短期間になる工事は
現場の職人さんの負担が
ものすご~く増えます。
・いつもより長時間の労働。
・休日返上での作業。
・職人さんの数を増やすなど。
仕事をいつもより無理させたり
急がせるということは
どういうことか?
現場は雑な作業になります。
現場は雑な仕事になります。
仕事量がたくさん増えても、
職人さんのお給料は
変わるわけじゃありません。
3月引渡しに間に合わせるためには、
丁寧にやっていては
とても間に合わなかったりします。
つまり、
一番のデメリットになるのは、
職人さんに現場を丁寧に
仕事をしてもらえるかわからない
これから家を建てるお客さん自身なのです。
あなたは、自身の現場を
そんな状況でやってもらいたいですか?
当然やってもらいたくはないですよね。
大手ハウスメーカーは、
直接、家は建てていません。
営業マンが建てるわけでもありません。
地元の下請けの工務店さんや
職人さんたちが一生懸命、
造っているのです。
ほんとに大切なことは、
「どこの会社にするのか?」
を考えるより、
「誰に任せられるか?」
「信頼できる人探し」の方が
ずっとずっと大切です。
その営業マンが、
本当に心から信頼できるなら
そこで契約してもいいでしょう。
でも、ほんの少しでも不安があるのなら
そこで建てるべきではありません。
「3月引渡しにしてくれたら・・・」
なんて売り手の身勝手な
一方的な都合です。
そんなことはお客さんには
まったく関係ないですからね。
甘い言葉には
必ず裏があります。
間違っても売り手都合で、
焦って契約しないよう
あなたも
気をつけてくださいね。
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