静岡の住宅購入専門のファイナンシャルプランナーが、消費税8％で契約しない方が良い本当の理由をお伝えしますね。
3月は雨が多いスタートですね。暖かくなってきたので花粉症の人には辛い季節です。私も目のかゆみや、クシャミが出始めました。今後さらに暖かくなって花粉が飛散すると思うと、かなり憂うつな気分です…。
『8％で契約か？10％で契約か？』
「今、家を買おうかどうか迷っている…。」人にとって、3月は決断の時期です。もし、あなたが今、家を買おうか迷っているなら8％で契約したいですか？それとも10％になってからにしたいですか？
3月中に決断する必要があるのは注文住宅(土地から探して建てる人)を考えている人です。10月から10％に上がる消費税。建売住宅やマンションは、9月30日までに購入して引き渡しがされれば8％で契約可能です。
でも、注文住宅の人は工事の変更や手直し、資材の手配状況、天候による影響等で完成が10月以降になるケースがありますよね。8％で契約をしたい人には3月31日までに住宅会社と建築請負契約をすれば、家の完成が10月を過ぎても8％が適用される経過措置があります。
①のケースですね。
『2％分の差額はお得ですが・・・』
例えば、本体価格2,000万円の住宅で消費税が2％上がると40万円の支払いが増えます。「40万円も余計に払うのはもったいない！」と誰もが思うし確かにそうですよね。3月31日という期限も迫っているので気持ちも焦ってしまうでしょう。でも・・・
『焦って契約すると損です！』
確かに消費税2％アップによる負担は痛いですが、そのアップ分を優遇する支援策があります。
- 住宅ローン減税
8％で契約した場合、住宅ローン減税が10年間あります。住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の1％を10年間、所得税や住民税から還付してくれる制度。年収やローン借入額にもよりますが、10年で300～400万円の税金の戻りがあるお得な制度です。
10％で契約した場合は、10年から13年に延長されます。(2020年末までの入居に限る)この3年の差はかなり大きいですね。
- すまい給付金
消費税アップによる負担増を軽減するために年収によって現金が支給される制度。8％では年収510万円以下が対象でしたが、10％になると年収775万円以下まで対象範囲が広がります。
消費税10％での購入は2％分の支払いが先に増えますが、10年から13年に延長される住宅ローン減税の還付金額を考えると、その効果は2％以上になってきます。でも、私がお伝えしたいのはお金のメリットのことではありません。
『消費税8％で契約しない方が良い本当の理由』
「消費税8％の方がお得だから」と焦って契約しない方が良い本当の理由は、職人さんの人出不足や、忙しすぎる現場による欠陥工事や手抜き工事の恐れです。あなたの住んでいる近くの工事現場でこんな状況を目にしたことはありませんか？
- 工事が全然スタートしていない
- 基礎工事は終わってるけど、そのあと工事がなかなか進んでいない。
- 夜遅くまで工事の灯りがついている。
- 休みなく日曜も工事をしている
- 急に工事関係者の車が増えた。
職人さんの手が足りなくて、現場監督が試行錯誤しながら現場を回している状態なんです。特にハウスメーカーは受注量が多いので、人手が圧倒的に足りていないのです。
職人さんも人間です。職人として良い家を造りたいですが、忙しすぎる現場や仕事量では、どこかにひずみやミスも出ます。工事期間も決められているので、間に合わせるためには丁寧にやっていてはとても間に合わないのです。
その結果、欠陥工事や手抜き工事の現場に成りかねません。これから一生かけて住むことになる数千万円ものマイホーム。あなたはそんな状況で工事をやってもらいたいですか？絶対イヤですよね。
現場で家を建てる忙しすぎる職人さんのことを考えると、焦っての駆け込み購入はかなり危険ですね。
『消費税2％のアップより重要なこと』
大切なことは消費税2％アップのためだけに、心と時間の余裕を奪われないことです。去年から住宅会社と何度も時間をかけて打ち合わせをしている人なら、8％で契約するのもいいでしょう。
でも、大切な決断は、時間をかけてしっかり考えて納得してから答えを出すことです。
- 検討している土地を何度もよく見る
- 間取りの相談は自分が納得するまで
- 住宅ローンの組み方もしっかり検討しながら
- 予算オーバーをしない土地と建物のバランス
- 家を建ててもやっていけるか？家計の把握
お金の損得も大事ですが、時間をかけて十分納得した契約は、消費税2％アップ分よりずっと大きな心の余裕に繋がるはずです。
