静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが家を買う前に保険で貯金してはいけない理由についてお伝えしますね。
「家を買う前に保険で貯金してはいけない」私がご相談のときによく伝える言葉。実際に相談者さんの家計状況を見ると、「家計がカツカツで・・・」という人に限って老後資金を保険で毎月3万円とか5万円してる人が多いです。
確かに老後資金の準備は大事だし必要でしょう。あなたが毎月の住宅ローン返済が今の家賃額と変わらなかったり正社員の奥さんが定年まで仕事を絶対に続ける収入があるなら毎月数万円を保険で貯金しても構わないでしょう。
でも、ほとんどの場合今の家賃より毎月の住宅ローンの返済の方が増えます。奥さんが出産や育児で仕事を辞めて収入がなくなる。または、時短勤務で収入が大きく減る可能性も十分ありますよね。
これから住宅ローンで月の家計の負担が増えるのにローンの金額が決まる前に無理して先に保険で貯金を始めてしまったら?収支はカツカツになってしまって家を買った途端に節約生活の日々になってしまいますよね。
今の生活を我慢して教育費や老後資金の方にお金を先送りしてしまう。老後のために今の生活を我慢することはあなたが本当に望んでいることでしょうか?
『お金の全体像を把握しよう』
実をいうとあなたが本当にお金が必要なのは老後ではありません。まさに今、そして今後です。家族でたくさんの思い出をつくる今の時間。そして子どもが成長して教育費に一番お金がかかるとき。
あなたは何のためにお金を稼いでいますか?子ども全員がもう独立して自分が仕事を辞めて体が衰え始めてきた頃にお金がたくさんあるのがいいですか?もちろんお金はないよりあるに越したことはないでしょう。
でも、後になってきっと思うはず。「もっと若いときにお金を好きなことに使っておけばよかった・・・」
『家計シミュレーションが表す真実』
今から80歳まで90歳までの長期のお金の流れをシミュレーションすると老後に向けて保険で貯金をしすぎれば当然今の家計は使えるお金や余裕がなくなりますよね。旅行や交際費を我慢したり欲しいものもあきらめたり。
子どもの大学費用も上手く準備できずに奨学金に頼らざるを得ない家計になっていたり、今がすでにカツカツだとお小遣いや食費など家計のお金で削ってはいけないものまで削ってしまってストレスになっている傾向がありますね。
老後のためにお金を貯めておくのは重要な作業ですが、人生の30代から50代の一番メインの時期に幸せに使える生きたお金の使い方をしたほうが良いのでは?と思ってしまいます。
人生の満足度や幸福度を上げるためにはお金を老後に回しすぎるのではなく、また若い今もお金にコントロールされるのではなく人生全体で自分でお金をコントロールする必要があると私は思うのですが。
『老後の貯金の正しい考え方』
間違って欲しくないのは「生命保険で貯金をしてはいけない」ということではありません。家計のバランスに対して「保険で貯金をする金額が適切なのか?」をしっかり考えようという話なんですよね。
なので正しい順番としては住宅ローンがスタートして数ヶ月、新しい毎月の収支が決まった。毎月子どもに貯金できる金額を引く。旅行や車などに使う貯金も引く。最後に毎月1万円でもまだ余裕があるなら老後に向けて貯金を始める。
ほとんどの人は順番が逆になっていて家を建てる前に保険などで貯金をしすぎていて保険料に合わせた今の収支になってしまっていますね。逆だと老後の生活が優先されてしまって人生のメインである今使えるお金が減ってしまいますよね。
せっかくマイホームを建てたのに若い時はずっと節約したりガマンしたりとお金がストレスに感じる家計になってしまうのです。
もし、あなたがお金のことでストレスを感じたくないのなら家を建てる前に今と80歳90歳までのお金の流れをしっかり把握する必要がありますね。そして無理のない住宅購入予算を把握してから家を建てれば大抵のことは何とかなるもの。
あなたの人生で一番大事なのは老後ですか?それとも、今ですか?