静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローン審査で重視されるポイントについてお伝えしますね。
「いやー、毎日の生活が大変で馬車馬のように働かないとですよ・・・」とある場所で知り合ったYさん。Yさんは自営業で一昨年までの年収は600万円でしたが去年からのコロナ禍で収入は激減。
毎月の収入だけでは住宅ローン返済が足りないので今は貯金を崩しながらの返済。4年前にマイホームが完成したばかりで7歳と4歳のお子さんがいる40代中盤のご夫婦です。
「なぜ毎日の生活が大変なのか?」というとYさんの住宅ローンは4,800万円。明らかに借りすぎです。もし、子ども二人とも大学まで出すとなると大学までオール公立は必須。でも、現実は簡単ではありません。
旦那さんも奥さんも病気一つせず健康で最低75歳までは年収600万円を継続できないと住宅ローンは返せないでしょう。「80歳まで現役で働き続けない限りは老後破綻するんじゃないかな?」とかなり心配です。
『住宅ローン審査で重視されるポイント』
あなたが住宅ローンを借りるときは銀行に必ず審査されます。「お金を貸しても大丈夫な人なのか?」「ちゃんと返してくれる人なのか?」お金を貸す側からすれば当然のことですよね。
では、あなたに質問です。銀行が住宅ローンを貸すときに一番重視するポイントは何だと思いますか?年収?完済時の年齢?健康状態?借入時年齢?担保評価?
上述の情報はもちろんすべてチェックされますが一番重視されるのは完済時の年齢。※国土交通省住宅局「令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果」より。
『35年後あなたは何歳?』
一般的に住宅ローンは35年で借りる人が多いです。35歳なら35年後は70歳。40歳なら75歳。45歳なら80歳ですね。でも、銀行は全員に35年は貸しません。
一般的な銀行では完済時の年齢が80歳未満などと設定されています。もし、あなたが35年ローンを考えていたら44歳がターニングポイントになるわけです。
『住宅ローン審査の大きな変化』
私が個人的に感じていることがあって最近の住宅ローン審査で多くの銀行が今までより気にするようになった項目があります。何かと言うと「預貯金額」です。
住宅ローン金利の激しい引き下げ競争がされて各銀行とも利益がほぼない中まとまった預貯金がある、より安全なお客さんを選んでいるのでは?という傾向が感じられますね。
『頭金なしで借りるのは危険!』
低金利時代の今、ひと昔前より銀行がお金を貸してくれるようになり頭金がゼロでも家が建てられるようにようになりました。
頭金が0でも家を建てられるのはメリットに思いますが裏を返せばYさんのようにもし今後、家計の歯車がひとつでも狂ったらローン返済ができなくなってしまう超危険ゾーンに一気に陥ってしまう状態と言えます。
「貯金もほとんどないのに住宅ローンを借りるなんてホントに大丈夫なの?」と銀行の融資担当者は本音では思っているのかもしれません。
『貯金がない人ほど慎重な計画を』
あなたが家を買うときに「いくらまで借りられるか?」は銀行で喜んで教えてくれますが、「無理なく返していける金額はいくらか?」は銀行はまったく興味がありません。
銀行はお客さんになってくれるあなたに、「あなたは家を買うのは無理ですよ」「あなたには住宅ローンは厳しいですよ」とは言ってくれません。
頭金がなくても家は建てられますが手持ちの現金が少なければ少ないほど将来までのお金の流れをしっかりとシミュレーションしておかないと遅かれ早かれ「家計破たん」という厳しい現実が待っていることでしょう。
正直な話、コロナ禍が長引けば長引くほど収入減で住宅ローン破たんする人が今後増えていくのは間違いありません。
銀行が住宅ローン審査をするとき預貯金額を急に気にするようになったのも今後さらに増えてくると予測される住宅ローン破たん予備軍には、「できるだけお金を貸さないようにしよう」と思っているのかもしれません。
さて、あなたの家計は今のままで大丈夫でしょうか?
(マイホーム購入のご相談はご夫婦の考えや表情、空気感を読み取ることが非常に重要なため現状は対面でのご相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)