静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが適正な住宅ローン額は年収より勤続年数についてお伝えしますね。
あなたは今何歳でしょうか?私は48歳ですが相談者さんの年齢は30代が一番多いです。続いて20代後半と40代前半が同じくらいの感じ。あなたは年代によって家を買うときの傾向と対策がまったく異なるのを知っていますか?
『20代で家を買うメリットデメリット』
20代でマイホーム購入の場合は主に収入面のリスクが考えられます。「年収がまだ多くない」「預貯金も多くない」「今後転職の可能性がある」「出産時に妻が退職または休職する可能性がある」など。
今後の収入面が不明確だと身の丈の住宅ローン額がいくらかもわからない。また、金利上昇時のリスクに弱いというデメリットもあります。
また、20代夫婦の場合は子どもが誕生していないことも多いですよね。子どもが生まれる前と後では家に求める価値観も大きく変わる可能性がありますね。
一方で20代は退職までの勤続年数が30年以上とかなり長いです。身の丈に合った住宅ローンがスタートできれば退職までにローン完済できる可能性が高く退職後のローン負担がなくなるのが大きなメリットですね。
『30代で家を買うメリットデメリット』
30代は「結婚」「出産」などのライフプランの変化が一番多い世代。退職までの期間も長く20代より収入が上がっている人が多いので多くの住宅ローンが組めるいうのがメリットです。
一方で年収だけでたくさん借りられてしまうので身の丈をはるかに超えたオーバーローンをしてしまう人がかなり多いのも事実。
30代なら勤続10年前後で年収も増えているので夫婦の収入を合算してかなり高額なローンを組んでしまうケースが後を絶たないというデメリットがメリットの裏に隠されているんですね。
『40代で家を買うメリットデメリット』
今まで多くの家庭の相談を受けてきて40代以降でマイホーム購入をするのは「かなりのギャンブル!」と私は思っています。なぜなら30代よりも年収が上がっている40代は年収だけでかなり高額な住宅ローンを組んでしまうから。
特に40代前後は給与が大きく上がる時期で大きく上がった年収で購入してしまうケースが多い。結果的に銀行で「借りられるだけ借りすぎてしまう」のが最も多い世代でもあるんですね。
「収入が多いからなんとか返せるだろう・・・」という予測なのですが今後大きな落とし穴が待ち受けていることに気づいていないかもしれません。
『あなたは退職まであと何年?』
当然ですが40代は20代30代より勤続年数が短いですよね。仮に今あなたが40歳として退職年齢が60歳とすると残り20年。35歳なら25年。30歳なら30年ですよね。
退職まで残り20年しかない40歳が住宅ローン返済は一番苦しくなるわけです。つまり、30歳、35歳、40歳の3人の年収が同じでも借りられる額は年齢によってまったく異なるというのが基本の考え方なんですね。
40代が30歳や35歳の人とまったく同じ年収だからという理由でたくさん借りてしまえば年金生活の老後にリスクが一気に押し寄せてきます。
40代で家を買う家庭は20代30代よりも圧倒的に多くの預貯金がないと老後破たんするリスクが隠されているのです。
『40代以降の収入は上がらない』
もう一つ目に見えていない現実が40代以降は給与の大きな上昇は考えにくいということ。
大企業であれば50歳前後で子会社や系列会社への出向で給与減。一般的な企業でも50代に役職定年が待ち構えている。今までの肩書きがなくなり給与も2~3割減になってしまいます。
60歳で定年して65歳まで再雇用が可能でも給料は半分以下。さらには50歳前後にかけて子どもの大学費用などの大きな出費が待ち構えていますよね。
20代30代と比べて40代こそ身の丈に合う住宅ローンで家を購入しないと子どもの大学進学時に家計は赤字に転落する可能性が高いです。
『家計破たんのリスクを防ぐには?』
私のような団塊ジュニア世代が2023年には50代。企業では今から人件費の高騰が懸念されています。コロナ禍の影響もあり大企業はかなり前倒しで大規模な早期退職や人員整理をし始めています。
人員整理まではいかなくても役職調整による給与減少、給与の上がり幅は今後は期待できない環境になってくるのはしっかりと意識しておく必要がありそうですね。
以上のようなことからマイホーム購入によって近い将来または老後の家計破たんにならないためにも30代後半から40代にかけての収入が多い時期に家づくりを考える人は特に気をつけてくださいね。
銀行はあなたが家計破たんをしても関係ありません。できるだけたくさんの住宅ローンを貸すのが仕事です。人生は家を建てることがすべてではありません。家を建てるのは手段であり目的になってはいけません。
あなたが老後も豊かに楽しく暮らせるのか?それとも貧乏で一生節約生活をしなければいけないのか?はマイホーム購入時の今、身の丈に合った住宅ローンを組めるかどうかで決まってしまいますよ。
(マイホーム購入のご相談はご夫婦の考えや表情、空気感を読み取ることが非常に重要なため現状は対面での相談をしています。面談時にはマスク着用、アルコール消毒液を持参で訪問しています)