静岡市のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPがリフォームか?新築か?の見極めについてお伝えしますね。
築45年。今までにかかったリフォーム費用は800万円以上。私が住む実家の話です。強風の大雨時には一部雨漏りも…。
他にも老朽化している部分があり前々から母は「大規模なリフォームをしたい」と言っています。当然、お金があればの話ですが…。
『リフォームか?新築か?』
「実家をリフォームするか?新築するか?(建替えるか)ですごく悩んでるんです・・・」ときどき、相談者さんからある質問。我が家も同じなので気持ちはよくわかります。
予算的な問題だけならリフォームの方が安く済むかもしれないと誰もが思うでしょう。私の母も同じ考え。でも、安く済むと言っても大規模リフォームとなると1,000万円単位。簡単に答えが出る話ではありません。
『実はお金の問題ではない』
「リフォームか?新築か?」お金の問題だけで解決できればいいのですが実はお金以外で厄介な問題が二点あるのです。どちらかというと私が住んでる郊外というか田舎の親に多い傾向ですが。
一点目の問題は世間体。一般的にほとんどの人が新築よりリフォームの方が安く済むと思っています。「お隣やご近所はリフォームをしてるのに自分の家だけ新しくするなんて・・・」という感情がありますね。
私が住む場所は約50年前の分譲地で世帯年齢の平均は約70歳。年配の方は近所の噂話とか好きですよね。母は周りの目も気になり新築よりリフォームの方が無難なんじゃないかという感情が間違いなくあります。
二点目は家に対する愛着。リフォームの場合は建物を壊しますが基本、骨組みは残ります。対して新築の場合は建物すべてを解体することになりますよね。
建物は跡形もなくなってしまう。ご両親は何十年も前に家を建てたときの想いや今まで家族と暮らしてきた思いなど。言葉では言い表せない感情ですよね。相談者さんの今までの想いに対しては私がとやかく言うことはできません。
『どうすればいいのか?』
相続トラブルなどの問題ではありがちですが感情的な部分の解決って簡単ではありません。となると感情的な部分以外で解決策を見出すしかないんです。
「では、どうすればいいのか?」ですが最善の方法としては、もし、リフォームを選ぶ前提なら、「建物の強度が保てるのか?」「もし、強度不足の場合は耐震補強の費用を調べてみる」ことからだと思いますね。
上述から判断してみて耐震工事も予算内で可能ならリフォームでも良いと思います。でも、もし「耐震工事にかなりの費用がかかるなら新築も検討」ということで良いのではないでしょうか。
リフォームか?新築か?の判断は耐震性を見極めてから考える。間取りやデザインは後回しで大丈夫です。
『有料診断は十分価値がある』
見極めるためにはまず耐震診断をしてみることです。今住んでいる区役所・市役所に相談すれば適切なアドバイスをしてくれます。また、耐震診断費用の補助金等が出ることもあります。
仮に民間の診断業者に依頼したら建物の大きさにも寄りますが30万~50万円くらいの費用がかかるかもしれません。
もし、有料の耐震診断をして新築にすると決めたとしたら数十万円の費用は無駄ではなくむしろ安いと言えるでしょう。
耐震性、何より安全性が数十万円で確保できるのですから。耐震に不安を抱えたままリフォームするよりしっかりと調べてからどちらかの答えをはっきり出す方が気持ちもスッキリしますよね。
『ご両親の気持ちを尊重した家づくり』
「リフォームか?新築か?」現実はなかなか難しい選択。「ご両親の想いや家族の思い出がたくさん詰まった大切な家を壊す」ということに対してまずは気持ちに寄り添うことは大事だと思いますね。
でも、自分たちでは明確な答えが出せないこともあるでしょう。住宅営業マンにどちらがいいのか?を相談することもあるかもしれません。
相談した答えが何の根拠もなく、「リフォームより新築すべきですよ!」と軽々しく言うような営業マンはNG。
ちなみに我が家は耐震性が不安ですが介護などライフプランに変化がない限り大規模リフォームは考えていません。今のエリアでは老後の生活が不便なので。不便ではない土地を探している感じです。実家が売れるかどうかは未知数ですけどね。