静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが今なら300万円もらえる!という話についてお伝えしますね。

突然ですがあなたに質問です。もし、あなたが300万円をもらえたら何に使いますか?現実的にはない話と思うかもですが…。ちょっとお付き合いください。

貯金や投資以外で何かに使うとしたら?ちょっとだけ想像してみてくださいね。ちなみに私ならクルマを買いたい。きっとクルマを買いたいと答える人は多いはず。

他には、「学費に使いたい!」「世界一周など豪華な旅行をしたい!」「1年働かずに生活費にしたい!」など様々な使い方がありますよね。

普通に考えたら300万円もの大金がもらえるのは相続とか宝くじ以外にはあり得ません。でも、現実には「今なら300万円差し上げますよ!」というウソのようなホントの話があるのをあなたは知っていますか?

『今月契約してくれたら300万円値引き!』

住宅会社、特にハウスメーカーでは当たり前のように行われている値引きを使った営業トーク、契約を迫るクロージングのトークです。

「土地は決まったし図面もある程度決まった、あとは見積りだけだな…」と思っていたら予算より300万円も高い見積もりが目の前に登場。

「うわー、思っていた以上に高いなー。どうしよう…」とあなたが思っていると…。営業マンから「今、お申込み頂ければ300万円のお値引きをさせていただきます!是非、ご契約ください!」

コレ、住宅業界あるあるです。例えば、大手ハウスメーカーなら建物金額3,000万円は普通の金額。3,000万円の1割、「300万円を今契約するなら値引きしますよ!」とお得感を演出して契約を迫る行為です。

「えっ、マジ!300万円も安くしてくれるの?ラッキー!」と思う人もいるかもしれませんね。でも、冷静になってよく考えてみてください。

冒頭に聞いたあなたの300万円の使い道は何でしたか?300万円の値引きを言い換えると…。あなたの欲しいモノ300万円をハウスメーカーが代わりに払ってくれるということ。

私の場合ならクルマです。「立林さん、今月中にご契約をいただいたら300万円の新車をプレゼントさせていただきます!ぜひ、ご契約ください!」って…。

私ならラッキーとは1ミリも思いません。120%胡散臭さしか感じません。不信感しか感じない。夕方のスーパーで見かけるお惣菜の「20%OFF」「30%OFF」とはまったく次元が違う話だからです。

『見せかけの値引き』

例えば、30万円、50万円など100万円未満の値引きは現実に利益から削ったホンモノの値引き。今、2,500万円の家を1棟売ったら出る利益は地元工務店で約500万円~650万円、ハウスメーカーで約800万円~1,000万円。

もし、本当に毎回300万円も値引きをしていたら?事業としては成り立たず会社はつぶれます。でも、最初から見せかけの金額で見積りが設定されていたとしたら?300万円400万円の値引きはあり得る話。

適正な見積り額2,500万円に対して値引き分400万円を上乗せした2,900万円の見積り金額を最初に提示。「今月中のご契約なら300万円値引きします!」と契約を迫る。

300万円の値引きで契約ができれば通常価格よりも100万円高く売れる。営業マンは「ヨッシャー!」となるでしょう。

もし、300万円の値引きでお客さんがYESと言わなければ…。「今、この場でご契約いただけるなら上司から怒られるのを覚悟であと100万円お値引きさせていただきます!」ともう一押しのクロージング。

2,900万円から400万円値引きしても通常価格の2,500万円。販売側は痛くもかゆくもありません。同じ見積り金額でもお客さんの反応によって契約金額が変わる可能性が普通にあるのです。

値引きは今月限りなどの期間限定ではありません。仮に今月中に決断ができなくても来月もなんらかの理由で値引きを提示してきます。特にハウスメーカーでよく行われている今も昔も変わらない営業手法です。

『値引きしないと家が売れない』

値引きのように見せかける営業手法は顧客をダマしているのと同じこと。さらに問題なのは値引きをする会社は「値引きというお得感を演出しないと家が売れない…」ということなんです。

「建物の性能やデザイン自体に魅力がない、お客さんの購買意欲を高めるために値引きでお得感を演出することでしか契約を取ることができない」魅力のない会社です。会社の規模は無関係なんです。

そのような会社は家を売るという意識が強くて「契約までがゴール!」に力を入れている証拠。お客さんと一緒に良い家を建てよう!造ろう!という意識はほとんどありません。

あなたはそのような方針の会社の家を買いたい!住みたい!建てたい!と思いますか?私なら候補先から即外しますね。間違いなくあとで失敗・後悔する原因になるので。

以上のようなことから打ち合わせの早期のタイミングから大幅な値引きをしてくる会社は絶対すぐ契約するべきではありません。胡散臭い大幅な値引きをまずは疑ってかかるべきです。

本当に誠実で魅力のある会社なら見積りも最初から適正価格で提案してくれます。安易な値引きはありません。

お盆休みや年末年始など長期の休みがある月は住宅会社の契約数もかなり落ちます。早期のタイミングから値引きの話が出てきたら要注意。旨い話には必ず裏がありますからね。

今後、住宅会社と打合せや商談がある人は特に注意してくださいね。