静岡のファイナンシャルプランナー、住宅ローン相談・住宅購入専門FPが住宅ローンで家計破綻する人7つの特徴についてお伝えしますね。

「以上のような理由で今のままの家計状態では家を建てない方がいいと思います…」最近、2組連続で厳しい面談結果をお伝えしました。

有料相談を受けているので私はめちゃめちゃ真剣。「住宅ローンを借りられますよ!家を建てても大丈夫ですよ!」と安易には言えません。面談者さんの将来を思って家計診断するので2割くらいは厳しい結果に。

でも、将来までのお金のシミュレーションでたとえ厳しい結果が出たとしても悲観し過ぎる必要はありません。ライフプランのお金のシミュレーションは将来を予測するものですが100%決めるものではないからです。

あくまでも今の家計では将来問題が起こり得るであろうということ。厳しい結果が先にわかれば何か問題が起こる前に「自分の家計の課題を早めに発見できた!」とプラスに捉えて今から対策を打つことが可能です。

住宅ローンに追われずお金の不安を抱えることなく家族で豊かな幸せな未来を実現するためには..。あなたが今希望する叶えたいライフプランの条件で事前にシミュレーションを行っておくのはとても重要な作業なのです。

ただ、そうは言っても「住宅ローンが始まったあと自分の家計はローン返済に追われずやっていけるのか?」と不安に思う人は多いと思います。

気兼ねなく話せる仲の良い友人、知人でもお互いの家計の中身までは詳しく話さないですよね。実際、住宅ローン返済で「どのような家計が破綻しやすいか?」はイメージが湧かないと思います。

実は住宅ローンを抱えて家計が破綻してしまう、破綻する可能性が高い家庭には似たような特徴があるのも事実。実際、私が今までに厳しめの診断結果をお伝えした家計にはいくつかの共通点があります。

逆に言うといくつかの共通項に当てはまなければないほど住宅ローンを抱えても家計が破綻しにくい証拠。ということで今回は、「住宅ローンで家計破綻しやすい人7つの特徴」について解説しますね。

  • 年齢が40歳以上

昨今の晩婚化の影響もあり住宅購入の平均年齢は年々上昇。ご相談は30代が一番多いですが20代より40歳前後の方が多い印象。特に40歳以上の購入となると一歩間違えると将来の家計破綻の可能性が高まります。

理由は主に2つ。1つは住宅ローンの借りすぎ。一般的に20代30代の頃の年収(収入)より40代の方が年収(収入)は多いですよね。年収だけで借入してしまうと単純に借りすぎてしまうからです。

もう1つの理由は退職までの勤続年数が短いこと。40歳で購入したとして退職が60歳なら勤続年数は20年、65歳なら勤続年数は25年。20年、25年の間は安定収入があるので住宅ローン返済も問題ないでしょう。

でも、退職後以降、再雇用で働くにしても年収(収入)は退職前の5~6割に下がります。その瞬間から一気に月々が赤字家計へと転落してしまうのです。

ある日突然、収入が激減しても支出を一気に減らしたり今までの生活水準を落とすことはかなり難しい。住宅ローン返済が家計を圧迫して結果的に貯金が底をついて老後破綻してしまうという感じです。

みんな「今」はローンを払っていけるのです。問題なのは退職後以降、家計に体力が残っているかどうかです。

  • 退職金がない、またはわずか

老後の生活では年金以外の足りない部分は貯金を切り崩すのが一般的。年金収入は受け取れても支出の方が上回れば貯金を少しずつ切り崩すしかありません。つまり「退職時点でいくらの貯金があるか?」が超重要。

退職までにコツコツ貯めた貯金が2,000万円以上、1,000万円を超えるような退職金が見込める人は90歳を超えるような長生きをしても。蓄えがあるので浪費さえしなければ老後破綻の可能性は低いでしょう。

対して、「退職金がいくらかわからない..」「退職金がもらえるのかもわからない..」という人は老後破綻の可能性が高まります。

今後は退職金額も減っていきます。退職金自体がない会社も多いです。現時点で「退職金がいくらもらえるのかわからない..」のなら?今のうちから自助努力でコツコツ貯めていかないといけません。

  • 旦那さんが高収入で奥さんが専業主婦

今までご相談を受けてきた感覚でお伝えすると「旦那さんの年収が700万円以上」または「700万円未満でも公務員で安定収入がある」などの家庭は奥さんが働いていないケースも多いです。

旦那さんの収入が高いので奥さんが働く必要もないのは構わないのですが..。収入が旦那さんのみの家庭は共働き夫婦と比べてなぜか?支出も多く家計破綻してしまう可能性が高い感じです。

あくまで今までの私の感覚ですが、「旦那さんの年収700万円、奥さんは専業主婦」と「旦那さんの年収400万円、奥さんの年収300万円」の家計を比較すると世帯年収は同じでも..。

共働き世帯の方が堅実な家庭が多いですね。必要以上の贅沢をせずに身の丈にあった生活水準で暮らしている。なので「身の丈にあった家を買いたい」という考えをしっかりと持っています。

もちろん、専業主婦の家庭でも堅実な家計で破綻するリスクが低い人もいると思いますが。

  • 生活費の支出が25万円以上

ここで言う生活費の支出とは「水道光熱費」「食費(外食込)」「日用品費」「通信費(スマホ・ネット)」「娯楽費」「交際費」「お小遣い」などの毎月使うお金を指します。

「家賃」「車のローン」「奨学金返済」などを除いて生活費が25万円以上の家計は将来の破綻リスクが高いです。

ちなみに私の相談者さんの平均生活費は上記3つを除いて約20万円。5万円の差ですが1年で60万円、10年で600万円、30年だと1,800万円の差。月5万円の差がそのまま老後に影響するとしたらものすごく大きな差です。

  • 子どもが2人以上

仮に小学校から大学まですべて公立でも1人あたりの教育費は約1,000万円。高校、大学が私立で県外に進学となると仕送りも含めて1人あたり約1,500万円以上のお金が必要です。

子どもが2人、3人いれば2倍3倍とかなりの家計負担。大学進学が重なれば家計が一気に赤字に転落するのもうなずけます。

特に「子ども3人を希望している」「40代以降で子ども2人を希望」という家庭。教育費に関する部分は入念にシミュレーションするなど特に気を付けて欲しいところです。

  • 貯金が100万円未満

結婚して3年5年。貯金が100万円に満たない家計は結婚生活の中で一定額の貯金ができていないことを意味します。

「結婚式を挙げたばかり」「車を現金で買ったばかり」など。人生では大きなお金が動くタイミングがありますが..。子どもが小さくてお金がかからないのに貯金が100万円未満というのはかなり危険な家計状態。

なぜなら、家を買う前がお金を貯められる一番のタイミングだからです。アパートの家賃よりも毎月の住宅ローン返済の方が確実に増えます。今、お金が貯められていないのに今後お金を貯めることは難しいです。

奥さんが出産後で働けていない」「復帰すれば1年で夫婦で100万円近くは貯められるなどの家計なら話はまた別ですが。いずれにしても家を買ったあとの方が住宅に係る支出が増えるのは間違いありません。

  • 車のローンを組んでいる

車のローンは特別な事情が無い限り組まない方が良いですね。なぜなら、車のローンを組むということは「身の丈に合わない買い物をしている」可能性がかなり高いから。

最近は特に残価設定型のローンが流行りです。3~5年後に買取り(保証金額を決めた残価分)前提で残価分を差し引いて月々を支払うので通常のローンより安い支払いなのが特徴。

でも、残価部分に金利がずっとかかるので手数料が多くなる、買取の場合はローンを支払い続けるが再ローンの金利が高くなるなど。その他の理由もあるのですが残価設定ローンはメリットよりデメリットの方が上回ります。

住宅ローンに車のローンでダブルローン、夫婦で2台ともローンならトリプルローン。住宅ローンが終わるまでは車も買い替えながらずっとローン地獄が確実です。

「貯金が100万円未満で300万円の車をローンで買う必要があるのか?」「年収が400万円でなぜ年収と同じ400万円の車をローンで買うのか?」など。

「車好きで車しか趣味がなくて車に乗ることで幸せを感じる!」というのならわからなくもないですが..。現実的な話でのローンを組んでまで買う人はマイホームも身の丈以上のものを買ってしまう傾向が強いです。

住宅ローン返済に追われないためにも車の購入金額は維持費も考慮して年収の半分ほどの金額に抑えて欲しいところです。

『目先ではなく未来を見据えて』

以上、住宅ローン破綻しやすい7つの特徴についてお伝えしました。「家計簿をつけていない」「夫婦の財布が別々」など。収支が把握できていないのはお金が貯められない理由の最低条件なので触れていません。

大前提として上記7つに当てはまる人が「将来、家計が破綻します」と断言するわけではありません。ただ、今まで私が予算診断をした経験から気を付けなければいけない重要項目であるのは間違いありません。

家を買う・建てるという目先のことだけに目を向けるのではなくて。老後まであなたの希望するライフプランを実現するにはどのような人生にしたいのかをしっかりと思い描く必要があります。

例えば、「子どもは〇人希望」「大学は2人とも私立かもしれない」「年に〇回は〇〇万円の費用で家族旅行したい」「〇年ごとに車を買い替えたい」「〇〇歳まで働きたい」など。人生で実現したいビジョンのこと。

実際に実現が可能かどうかは収入と支出を洗い出して各家庭ごとに詳細なシミュレーションをしてみなければハッキリしたことは言えません。

もし、あなたが本当にお金の不安があるのなら?お金の不安をずっと抱えたくないなら?35年40年以上先までの家計がどうなるか?がわかるあなたに適正な住宅購入予算がわかる「マイホーム予算診断」を受けてみてくださいね。

あなたが家族が人生で実現したいビジョンが叶うかどうか?の目安がはっきりとわかりますよ。